第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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ポスター

ポスター67群 外来における療養支援

Sun. Sep 29, 2024 1:30 PM - 2:30 PM ポスター会場 (展示ホール)

座長:若松 香織

[ポスター67-2] 外来看護師の在宅療養支援に対する認識

在宅療養支援推進のための事例検討の影響

横澤 寿子, 長尾 みどり (滝川市立病院)

【背景】 A病院は地域の基幹病院であるが外来の在宅療養支援を推進できていない現状があった。外来看護師自身が在宅療養支援を実践していると実感していないのではないかと考え、202X年からの2年間事例検討に取り組んだ。【目的】 在宅療養支援を推進する目的で事例検討を行い、外来看護師の在宅療養支援の認識を明らかにし今後の示唆を得る。【実践内容・方法】 外来看護師全員がeラーニングで在宅療養支援の学習をし、その後に事例検討を行った。事例検討に参加した看護師を対象に選択式と自由記載で回答するWEB調査を行った。内容は属性と事例検討内容、事例検討に取り組む前と現在の在宅療支援に対する認識についてである。この調査はA病院看護研究倫理審査会の承認(承認番号202210)を得て実施した。文書により研究の主旨と方法、個人が特定されないよう匿名化すること、データの管理方法、学術集会で発表することを説明し、WEB調査の回答によって同意を得た。【結果】 対象者49名中38名、77.5%の回答率であった。事例検討内容は、疾患の自己管理指導、検査前中後の指導、医療器具の使用指導、通院継続支援、訪問看護導入支援等であった。事例検討に取り組む前の在宅療養支援の認識として6のカテゴリー〔在宅療養を継続するための支援〕〔退院患者の病棟との情報共有〕〔スタッフ個人の活動〕〔チームで継続支援〕〔外来では実施困難〕〔在宅療養支援の認識がなかった〕が抽出された。現在の認識は7のカテゴリー〔在宅療養支援を継続するための支援〕〔在宅療養支援に意識的に関わる〕〔外来看護師間の連携〕〔多職種チームで支援〕〔外来で今まで実践していたこと〕〔短時間の患者対応が求められる〕〔外来看護のあり方の変化〕が抽出された【考察】 取り組み前は〔在宅療養支援の認識がなかった〕が抽出されたが、学習や事例検討をした後では〔外来で今まで実践していたこと〕が抽出された。これは自分たちが行っていることが在宅療養支援であるということに気づいたためであると考える。現在の認識の〔在宅療養支援に意識的に関わる〕が抽出されたことは、事例検討に取り組んだことで在宅療養支援の理解が深まったためと考える。また〔外来看護師間の連携〕〔多職種チームで支援〕が抽出されたことは、在宅療養支援は看護師一人で支援するだけでなく連携して支援を継続することであるという認識になったと考える。このことから、事例検討を行うことは外来看護師の在宅療養支援の認識に影響を与え推進していくことにつながる取り組みであったと考える。【実践への示唆】 今回の調査では事例検討の内容に意思決定支援がなかった。これは外来で意思決定支援を実践しているという認識につながっていないことが考えられる。外来の在宅療養支援には意思決定支援が求められる。事例検討を通して意思決定支援をしているという認識を深めていくことが課題である。