第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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ポスター

ポスター67群 外来における療養支援

Sun. Sep 29, 2024 1:30 PM - 2:30 PM ポスター会場 (展示ホール)

座長:若松 香織

[ポスター67-4] 外来における在宅療養支援の現状分析

~看護補助者と協働のシステムをめざして~

西田 喜美, 林 裕佳, 山田 易余 (亀岡市立病院)

【背景】 A病院の医療圏内における高齢化率は年々増加傾向にあり、2023年現在30.6%と、全国平均の29.1%を上回っており、2040年には40%を超えると予測されている。この現状から、A病院の外来における在宅療養支援の役割は非常に大きいものと言える。しかし外来では時間的な制約と人員不足により、看護師の関わりだけでは外来診療の場で時間をかけた支援を行う事が難しい。A病院外来では在宅療養支援を看護師のみならず、看護補助者と協働している。看護補助者は診療の補助を行う中で、個々の気づきを活かした視点で発信している。それらを言語化し指標を形作る事が出来れば、レディネスの異なる看護職が共通のツールを用い、協働出来る仕組み作りへ繋がると考えた。【目的】 A病院外来在宅療養支援において、看護補助者の気づきの内容に関して先行研究や文献を元に分類し、在宅療養支援の標準化に繋げる。【実践内容・方法】 202X年(1か月分)、電子カルテの在宅療養支援対象者リストから支援に関する文言を抽出し、診療科別にコード化、関連項目毎に分類した。分類した内容を文献と照らし合わせて客観性を確認した。倫理的配慮は、A病院倫理審査委員会の承認を得た。【結果】 在宅療養支援に関わるコメント176から、①理解不足、②内服管理確認、③精神疾患、④生活状況確認、⑤医療処置の管理状況、⑥意思決定支援、⑦在宅サービス利用状況と利用内容、⑧独居、⑨診察時の言動・行動、⑩家族の介護負担状況、⑪感覚器障害に分類出来、言語化する事が出来た。11のカテゴリー分類は、永田ら1)の4つの支援内容、1病状管理および医療処置への支援、2治療継続支援、3意思決定支援、4在宅サービス利用支援に当てはまる結果となった。【考察】 A病院外来の看護補助者は、看護師指示の元診療の補助を担い、在宅療養支援の関わりも行っている。看護補助者の生活者に近い発想や直感的な気づきによる情報は、交代勤務等で連続して関わる事が出来ない看護師にとっても貴重な情報となっている。地域の現状に添って取り急ぎ実施してきた在宅療養支援を、一定期間ではあるが支援内容の分析を行い、永田1)らの4つの分類に共通点を得た事は、在宅療養支援の標準化に繋がる可能性があると考える。4つの分類の中でも治療継続支援に①③④⑧⑨⑪の6つのカテゴリーが含まれており、在宅療養支援ニーズの把握の要因である受診行動の情報1)に寄与していると考える。【実践への示唆】 カテゴリー分類したものが支援介入ツールとして運用する事が出来、在宅療養支援内容の標準化に繋げる事が示唆される。