[ポスター67-5] 外来熟練看護師のチカラを明らかにしよう
外来運用、応援体制に関する実践知を知る
【緒言】人員不足が発生しやすい外来では効果的な部署間の応援が重要で、看護師は熟練者であることが必要である。本研究では外来熟練看護師の外来運用と応援体制に関する実践知を明らかにし、より効果的な応援体制改善を検討するための端緒とした。【目的】外来熟練看護師の外来運用、応援体制に関する実践知を明らかにする。【方法】Ⅰ.研究方法 A病院に勤務する外来熟練看護師15名に半構造的面接によるインタビューを実施。詳細な実践知を抽出しやすくするため外来運用・応援体制の項目毎にインタビュー内容をガイド化した。Ⅱ.分析方法:ベレルソン内容分析を用いて得られた実践知をカテゴリ化した。 Ⅲ.倫理的配慮研究の目的、方法、参加は任意であること、データ記録後は削除すること、研究以外に使用しないことを説明した。A病院の研究倫理審査会の承認を得た。(承認番号2023-005)【結果】外来運用の実践知14 カテゴリ、患者に関して<緊急度を考えた即興の判断と対応><待ち合い患者への観察力と気遣い><患者の個性等、状況別の柔軟な対応><科の特性に沿った適切な看護介入><円滑な診療の為の時間、環境の調整><患者満足の為の心情に寄り添った気遣い><病院の顔としての電話応対>、医師に関して<医師を待たせない迅速な対応><医師の状態把握と意欲を上げる対話力><医師の特徴を理解した予測された診療介助>、同僚に関して<円滑な業務進行の為の対話><時間内で終わる平等な仕事量や時間配分><互いを尊重して業務を補い合う信頼><相手の立場に立った気遣い>を抽出した。応援体制の実践知13カテゴリ、応援に行く時<事前の情報収集><応援先の配置等の把握><未経験の処置の自己学習><経験値から成り立つ即座に行動する意識><応援への前向き思考と協調性の意識><不慣れな事を伝え診療介助を円滑に進める>、応援を受ける時<事前の人員配置と応援依頼の予想><応援者の拘束時間の考慮・伝達><応援内容を明確に、現況と予定の伝達><専門的な業務や責任のある業務は自部署で、応援者には基本的な業務を依頼><未経験者に対する確認・声かけ・気配り><応援者への態度、感謝の表出><応援依頼の前に自部署内の整理、采配>を抽出した。【考察】熟練看護師は外来患者を把握し臨機応変に対応する実践知を駆使していた。周囲との連携の重要性を理解し、信頼関係を構築した外来運用を行っていることが示された。応援時には自己学習や精神の自己管理を行い、協調性を意識して即座に行動していた。応援を受ける際は、応援者が不安を抱かないよう暗黙のうちに対応し、チーミングを構築していることが示唆された。今後これらの実践知を細かく分析し、詳細で効果的な応援体制改善へ繋げていく必要がある。【結論】外来熟練看護師は、外来運用や応援体制に関して経験により培われた細かな実践知を駆使していることが明らかになった。