[ポスターM-21-4] 訪問看護ステーションを持続的に経営するために
－改善のための指針の作成の試み－
Keywords:訪問看護、経営、指針、フレームワーク、BSC
【抄録】
【目的】地域包括ケアの要として訪問看護ステーション（以下、訪問看護St）の役割は大きい。しかし、2020 年度報告によると年間1376 件が新規参入し、526 件廃業238 件が休止している。訪問看護St の経営はいかに容易でないかがうかがえる。訪問看護St の管理者は、安定的な訪問看護St 経営のための指針を持つべきではないかと考えた。そこで、訪問看護St の経営が安定的かつ持続的に行われるために、管理者が活用すべき「指針」を作成した。【方法】A・B 府県の訪問看護St 管理者に質問紙によるアンケートおよびインタビュー調査を行い、キーワードを抽出。カテゴリー化を行ない、「指針」へ反映させる。「指針」作製には、バランスト・スコアカード（Balanced Scorecard：BSC 以下BSC）を基本とした。戦略・ビジョンを４つの視点（財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点）で分類し、訪問看護St における財務的指標、非財務的指標を設定した。調査対象者：訪問看護St の経営者である管理者5 名、非経営者である管理者5 名計10 名。調査期間：2020 年10 月17日～ 12 月26 日。倫理的配慮：各ガイドラインを順守し、所属法人グループの倫理審査会にて承認を得た。【結果】インタビューから得た経営に関する指標は、財務的指標として総収入、総支出、損益分岐点、人件費率、経常利益率、月次データ、単価などであった。非財務的指標として、訪問看護師の資質、事業運営力、マーケティングと広報力、モチベーションの維持・向上、教育力、人的資源管理、離職率やスタッフの時間外管理等、労務管理や職場環境であった。これらをもとに訪問看護St のBSC 基本形、応用形を作成した。さらに、持続的経営の仕組み作りとして訪問看護ST 経営管理の指針を作成した。【考察】インタビューから訪問看護St の経営はコスト面だけでなく、顧客管理や労務管理も関係していたことから、財務的指標と非財務的指標をバランスよく整えることが必要である。また、管理者が管理業務をできる体制を作り、環境変化の予測や、経営状況を正確に把握するためにも、BSC を元に経営管理の指針を活用し経営戦略立案、目標値施定を行うことが必要である。顧客獲得および人材の維持・獲得を行うことは経営安定に極めて重要な要素である。本研究で作成した経営管理の指針を活用し、さらなる経営改善を図る。
【目的】地域包括ケアの要として訪問看護ステーション（以下、訪問看護St）の役割は大きい。しかし、2020 年度報告によると年間1376 件が新規参入し、526 件廃業238 件が休止している。訪問看護St の経営はいかに容易でないかがうかがえる。訪問看護St の管理者は、安定的な訪問看護St 経営のための指針を持つべきではないかと考えた。そこで、訪問看護St の経営が安定的かつ持続的に行われるために、管理者が活用すべき「指針」を作成した。【方法】A・B 府県の訪問看護St 管理者に質問紙によるアンケートおよびインタビュー調査を行い、キーワードを抽出。カテゴリー化を行ない、「指針」へ反映させる。「指針」作製には、バランスト・スコアカード（Balanced Scorecard：BSC 以下BSC）を基本とした。戦略・ビジョンを４つの視点（財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点）で分類し、訪問看護St における財務的指標、非財務的指標を設定した。調査対象者：訪問看護St の経営者である管理者5 名、非経営者である管理者5 名計10 名。調査期間：2020 年10 月17日～ 12 月26 日。倫理的配慮：各ガイドラインを順守し、所属法人グループの倫理審査会にて承認を得た。【結果】インタビューから得た経営に関する指標は、財務的指標として総収入、総支出、損益分岐点、人件費率、経常利益率、月次データ、単価などであった。非財務的指標として、訪問看護師の資質、事業運営力、マーケティングと広報力、モチベーションの維持・向上、教育力、人的資源管理、離職率やスタッフの時間外管理等、労務管理や職場環境であった。これらをもとに訪問看護St のBSC 基本形、応用形を作成した。さらに、持続的経営の仕組み作りとして訪問看護ST 経営管理の指針を作成した。【考察】インタビューから訪問看護St の経営はコスト面だけでなく、顧客管理や労務管理も関係していたことから、財務的指標と非財務的指標をバランスよく整えることが必要である。また、管理者が管理業務をできる体制を作り、環境変化の予測や、経営状況を正確に把握するためにも、BSC を元に経営管理の指針を活用し経営戦略立案、目標値施定を行うことが必要である。顧客獲得および人材の維持・獲得を行うことは経営安定に極めて重要な要素である。本研究で作成した経営管理の指針を活用し、さらなる経営改善を図る。