ポスター29群 リスクマネジメント①

[ポスターM-29-3] 転倒転落防止策シートを使用することによる病棟看護師の意識の変化

^○赤坂 奈美子, 宮沖 千春, 岩切 智子, 石松 里見 (千早病院)

Keywords:転倒転落防止、意識、病棟看護師

【抄録】
【目的】転倒転落防止策シートを使用することにより、転倒転落防止についての病棟看護師の意識の変化を明らかにする。【方法】対象は一般病床病棟看護師7 名、期間は2021 年9 月の1 ヶ月間、転倒予防指導士とともに独自に作成した転倒転落防止策シート（以下、「シート」とする）を使用した。データ収集として、シート使用1 ヶ月後に、転倒転落防止への意識の変化について30 分程度の半構成的面接を行い、分析は質的記述的方法で行った。倫理的配慮として、対象者には、研究目的、参加の自由、プライバシー保護、学会発表の予定などについて文書と口頭で説明し、同意書に署名を得た。【結果】分析の結果、〈具体策を見える化したことで援助方法の根拠となり、転倒予防の意識が変化した〉〈個別対応策として具体化したことが、看護師の転倒予防に対応する視点が広がった〉〈転倒リスクを意識したレイアウトを検討することで、患者を捉えた個別対応策を実施した〉〈転倒が予測される状況や動作を想定したうえでセンサーの適応を検討し設置するようになった〉〈カンファレンスで患者の状態や転倒予防策の個別対応方法を検討した〉〈理学療法士と一緒に予防策を検討することに繋がった〉〈ケア統一のために情報共有の方法を工夫した〉〈予防策を活かし行動した〉〈転倒リスクがある患者に誘導や行動が変化した〉の9 つのカテゴリが抽出された。【考察】これまで、看護師は認知や日常生活動作が個々で異なる患者に、自身の知識や経験から転倒転落防止策を検討したが、今回、転倒転落防止策シートを使用することにより、転倒リスクの予見から言動に変化が起こり、カンファレンスで情報共有を工夫し、レイアウトを検討することでチームとして統一したケアの展開と転倒転落の回避に務めたことが明らかになった。さらに、看護師は転倒リスクのある患者に対して先読みした看護で誘導や援助を行ない、防止策を実践する変化につながったと考えられた。