第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

Presentation information

ポスター

ポスター29群 リスクマネジメント①

Wed. Nov 9, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:原田 路可

[ポスターM-29-4] 透析患者の災害訓練前後の意識の変化

山本 広美1, 髙村 大輔1, 土井 美奈子1, 蟹谷 美香1, 塚原 節子2 (1.北陸中央病院, 2.東京医療学院大学保健医療学部看護学科基礎看護学)

Keywords:災害、意識の変化、透析患者

【抄録】
【目的】透析患者の災害訓練前後の意識の変化を調査する【方法】透析患者56 名のうち長谷川式が20 点以上、訓練可能な患者とした。実際の災害訓練後、看護師が災害訓練指導を行った。「災害時にも透析治療を続けるために」の動画を参考にした、災害時の準備・対応・実際の対処法を含めた質問項目7 項目について防災意識の高低によって4 段階の独自のアンケートを作成。訓練前後にアンケート調査をし、ウィルコクソンの符号順位検定を行った。倫理的配慮:倫理委員会の審査を得た。対象者に研究の目的、参加の任意性、プライバシー保護や外部発表の予定等を説明し書面にて同意を得た。【結果】対象は37 名、7 項目合計スコアは訓練前後で上昇した。特に「透析時の避難訓練は必要だと思うか」「透析中地震が起きた時に布団をかぶることはできると思うか」の2 項目で有意に防災意識のスコアが上昇した【考察】実際の訓練や看護師の指導をすることで防災意識が高く変化することが分かった。吉川は「災害に対する関心の向上について、移住エリアに近い教材であれば、現在から大きく離れた過去の事例であったも効果をあげることができる」と示唆している。厚生労働省では「知識の普及だけでは行動変容は起さないことを受けて、個人の心理や主観が行動を起こすかに強く影響することを示す」と述べている。今回の研究対象とした透析患者においても透析の現状においてシミュレーション型災害訓練に実際に参加することに意識の変容が可能であることがあらためて確認された。そのことから実際に患者がシミュレーション型防災訓練に参加することが必要だと考える。【結論】透析患者において実際に災害訓練に参加することが、防災意識の向上につながる。