第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター29群 リスクマネジメント①

Wed. Nov 9, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:原田 路可

[ポスターM-29-5] A 病棟における転倒予防策に対しての看護師の意識調査と実態調査からみた転倒の要因

高田 一史, 西尾 圭子, 成瀬 徹哉 (JA 岐阜厚生連東濃厚生病院)

Keywords:転倒予防策、看護記録、転倒要因

【抄録】
【目的】転倒した患者の看護記録と看護師の転倒予防策の認識調査から、転倒発生の要因を明らかにする。【方法】対象は令和2 年3 月から9 月にA 病棟入院中に転倒を起こした患者17 名と、その期間中A 病棟へ所属している21 名の看護師保健師とした。看護師の認識調査は無記名自記式質問紙を用いて、提出は任意とした。入院時から転倒発生までの看護記録を独自の調査用紙と、転倒防止フローチャートを用いて収集した。看護記録と看護師への認識調査の結果をフィッシャーの正確確立検定で分析を行った。所属施設の倫理審査で承認を得て実施した。【結果】患者のADL、介助方法の記載について、入院初日の情報収集と看護記録は行えている。入院時の記録方法がテンプレート化されており共通した看護記録が出来ている。看護記録自体があっても記録内容が簡略化されており個別性を意識した記録では無かった。【考察】入院時以降の看護記録については入院2 日目には転倒リスクの評価を必ず実施するため、それに繋がるADL・介助方法についてもアセスメントをして記録することが出来ているものと考えられる。しかし、3 日目以降は使用するテンプレートが無く看護記録が義務化していないためADL の変化が無い、或いは乏しい場合には看護記録を残すことができていない原因と考えられる。入院時にナースコール使用有無について評価した場合、それ以降記録がない傾向にあることから、ADL 変化時のナースコール使用有無について再評価していないのではないかと考えられる。整形外科の特色として高齢者、せん妄発症リスク、認知症を有している患者に加え、手術を受ける患者が多い。術前では疼痛による一時的なADL 低下を来しているが、術後の疼痛コントロール次第ではADL 拡大によって転倒リスクが高い時期である。そのため、整形外科の特色を理解し転倒リスクを予測したアセスメントを適宜行い、評価する日でなくても観察やADL 変化していることを記録に残すことが必要であると考える。看護記録が残っていないことにより情報共有ができていないこと、またアセスメントに結びつくADL の変化についての個別性のある看護記録がないことが転倒を引き起こす要因となっている。