第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演36群 母子の入退院支援・地域連携

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場4 (102)

座長:木下 千鶴

[口演M-36-2] 退院後の育児支援の検討

-産後2 週間前後の母親の入院中の育児支援に対する認識と退院後の役立ち度調査から-

塚田 重実香, 滝波 妃佳莉, 坂下 明美, 浦 知恵 (福井県立病院)

Keywords:産後2 週間、役立ち度、育児支援

【抄録】
【目的】産後2 週間前後の母親が入院中に受けたと認識する育児支援の内容と退院後の育児での役立ち度、それらに影響する要因を明らかにする。【方法】対象はA 病院で36 週以降に分娩後退院し、産後2 週間前後時点で育児をしている母親76 名。属性(初経産、年齢、分娩様式、退院指導の方法)、入院中に育児支援を受けた認識があるか、「ある」と回答した人にはその内容が退院後に役立ったかを自記式質問紙にて調査。育児支援を受けた認識が高い・低い項目、役立ち度が高い・低い項目と属性の関連の有無をχ2 検定、Mann-Whitney のU 検定で分析した。研究への参加は自由意思で、質問紙の回答をもって同意とすると説明した。【結果】回収率94.7%(72 名)、有効回答率97.2%(70 名)。育児支援を受けた認識が高い項目は「母乳相談・ケア外来の紹介(100%)」「授乳時の抱っこの仕方・吸わせ方(98.6%)」で、属性間で有意な差は見られなかった。認識が低い項目は「地域の子育て相談窓口に対する指導・支援(74.3%)」「退院後の児の夜泣き(78.6%)」「抱き方(81.5%)」で、「退院後の児の夜泣き」「抱き方」は高齢初産婦、35 歳以上の母親で有意に低かった。退院後の役立ち度が高い項目は「授乳時の抱っこの仕方・吸わせ方(3.94 点)」「母乳相談・ケア外来の紹介(3.91 点)」「うまく授乳できないときの対応(3.83 点)」で、「うまく授乳できないときの対応」について経産婦で有意に高かった。役立ち度が低い項目は「地域の子育て相談窓口に対する指導・支援(3.30 点)」「退院後の児の夜泣き(3.36 点)」「退院後の児の異常の見分け方(3.43 点)」で、「地域の子育て相談窓口に対する指導・支援」は34 歳以下の母親、「退院後の児の異常の見分け方」は初産婦で有意に低かった。【考察】育児支援を受けた認識が高い項目で影響する要因は明らかにならなかった。「退院後の児の夜泣き」「抱き方」「地域の子育て相談窓口に対する指導・支援」は年齢、「うまく授乳できないときの対応」「退院後の児の異常の見分け方」は初経産によって影響する可能性が示唆された。「地域の子育て相談窓口に対する指導・支援」については、育児支援を受けた認識も役立ち度も1 番低かった。居住地域の育児支援サービスについて情報提供し、地域での育児につながる支援が必要だと考える。