第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

ポスター

ポスター8 群 看護の質向上のための取組み③

2023年9月30日(土) 09:00 〜 10:00 ポスター会場 (イベントホール)

座長:山中 晶子

[ポスターO-8-3] リハビリカードを導入した整形外科病棟看護師の離床ケアの統一

駒井 真依子 (大和高田市立病院)

キーワード:早期離床、離床ケア、術後

【目的】視覚的に患者のリハビリ状況が把握しやすいリハビリカード(以下RC とする)を導入し病棟の離床ケアの統一を行うこと、看護師の離床ケアに対する意識の変化を明らかにすることを目的とした。【方法】整形外科病棟看護師25 名を対象とした。アンケートは、文献を参考に作成した術後の離床ケアへの意識に関する質問7 項目とし、4 段階の回答形式にした。RC は日本離床研究会の離床の条件を参考に独自に作成した。約1 ヶ月間RC を導入し、導入前後でアンケートを実施し前後比較を行った。データの分析には、R 検定を用いて行った。得られた情報は研究以外の目的で使用しない事や研究協力は任意であり不参加も不利益を被らない事等を説明し、アンケートの回答をもって同意とした。RC には患者が特定される内容は記載せず、患者・家族の了承を得た場合のみ設置した。【結果】アンケートの回収率は100%、2 回目は88% であった。整形外科病棟経験年数平均を「3 年以上」6 人、「3 年未満」16 人の2 群に分けて算出した。経験年数「3 年未満」の結果は、「毎回術後患者の離床ケアが十分にできていると思う」、「術後の経過においてどこまで離床していいのか分かりにくい」の項目はRC 導入前と比較して導入後が高かった(P < 0.05)。全体の結果では、「毎回術後患者の離床ケアが十分にできていると思う」の項目でRC 導入後が有意に高かった(P < 0.05)。またRC を導入した離床ケアについての記述から、「術後から離床について意識できた」という意見があった。【考察】RC 導入後、「離床ケアの時間が十分に取れていると思う」の質問が導入後有意に高かったことや自由記述から、離床ケアの必要性への意識が高まり、実践につながったと考える。そして、経験年数が少ない看護師がRC 導入前後の比較で「離床ケアが十分にできている」が有意に高かったのは、勉強会やRC によって必要な離床ケアにつながったと考える。一方で、「術後の経過においてどこまで離床していいのか分かりにくい」も有意に高い結果から、本研究の目的であるケアの統一には至らなかった。RC は経験年数に関係なく、同じ視点で離床をすすめる事ができる一つの指標になったと考える。今後はケアの統一に向け、継続的に実践するとともに、RC が患者にとって身体的、精神的にどのような効果をもたらすか検証していく必要があると考える。