第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 札幌

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ポスター

ポスター5群:看護職の業務に対する困難感

Thu. Sep 1, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (206)

座長:松本 康代

[ポスターS-5-2] 形成外科病棟に勤務する熱傷患者の看護経験5年以下の看護師が抱く困難

宮越 生美, 阿部 晴日, 村中 沙織, 牧野 夏子, 髙橋 香菜美, 庭山 香織 (札幌医科大学附属病院)

Keywords:熱傷看護、困難、看護援助、看護師、形成外科

【目的】熱傷患者の看護では、熱傷処置や疼痛コントロール、日常生活援助、精神的ケアなど多方面への介入が必要とされる。そのため経験の少ない看護師は多くの困難を抱くことが推察される。本研究では、形成外科病棟に勤務する熱傷患者の看護経験5年以下の看護師の抱く困難について明らかにする。【方法】質的記述的研究デザインを用いて、A大学病院形成外科病棟に勤務する熱傷患者の看護経験5年以下の看護師を対象とした。同意が得られた対象者に対しフォーカス・グループインタビュー(以下FGI)を行った。FGIは熱傷患者の看護援助に関する看護師の困難で構成した。データ分析は、熱傷患者の看護援助に関する看護師の困難を抽出し意味内容ごとに要約した後、類似性と共通性に基づきサブカテゴリー、カテゴリーとした。倫理的配慮として、札幌医科大学附属病院看護部看護研究倫理審査委員会の承認を得た。対象者には、FGIにおけるプライバシーの保護、研究協力は自由意思であること、協力しない場合においても不利益を生じないことを説明した。【結果】対象者は4名(女性、看護師経験平均年数および形成外科病棟経験平均年数は3.5±1.1年)であった。熱傷患者の看護に関する看護師の困難は48コード、17サブカテゴリー、7カテゴリーが生成された。カテゴリーは<処置時の苦痛緩和や活動促進を目的とした疼痛管理の難しさ><鎮静薬使用下での処置経験が少ないことによる熱傷処置管理の大変さ><日常生活行動拡大に向けた援助の難しさ><ケア経験の不足と患者の精神状態への影響の懸念によるボディイメージ変容に対する介入の難しさ><重症熱傷受傷後の患者ケアの経験不足に起因する移行ケア実践の難しさ><様々な背景の患者に合わせた退院支援の難しさ><複雑な受傷機転の患者の家族への介入の難しさ>であった。【考察】看護師経験および熱傷患者の看護経験が少ない看護師は、ケア経験が少ないことに加え、熱傷看護は治癒過程の違いにより個別性が高いことが特徴的であることから、熱傷創処置やボディイメージ等の熱傷看護特有の看護援助に困難を感じていることが明らかとなった。また、重症熱傷後の患者状態や退院後の生活のイメージがつきにくく、具体的な支援にも困難を抱いていた。そのため、熱傷看護教育内容を充実し、実践への支援を検討する必要が示唆された。