[ポスターS-6-2] 病院に就業する中堅看護師の自己教育力に関する研究
-日本語版SDLRS得点の実態と関係する因子の探索-
Keywords:自己教育力、中堅看護師、看護師長、日本語版SDLRS
【目的】病院に就業する中堅看護師の自己教育力の実態と自己教育力に関係する因子を明らかにする。【方法】1.データ収集:2021年5~8月、2.対象:全国の100床以上の病院に就業する中堅看護師1219名、3.方法:郵送法、回収数626部(回収率51.4%)、4.測定用具:日本語版SDLRS(自己教育力測定尺度)、個人特性・看護職者特性・環境特性・内的動機・外的動機を表す24項目、5.データ分析:SPSSⓇ Ver.24を用い、記述統計量・相関係数の算出、t検定、一元配置分散分析、重回帰分析を実施した(p<0.05)。6.倫理的配慮:研究倫理審査委員会の承認後、看護管理責任者宛に研究協力依頼書を送付し、承諾の得られた病院の対象者数に応じて質問紙を郵送した。研究協力は任意とし、無記名による個別投函により回収した。【結果】1.対象者:女性485名、男性74名、平均年齢30.7歳(SD 5.9)、平均経験年数6.7年(SD 2.7)であった。2.自己教育力得点の実態と関係する因子:自己教育力得点は平均183.6点(範囲116.0~247.0点)、関係する因子は、日常生活における自己管理、重要他者の存在、ロールモデルの有無、学習ニードの有無、自律的学習姿勢、研修参加の有無、看護への価値づけ、仕事意欲、看護職継続意思、看護実践能力、看護師になった動機、承認欲求、看護基礎教育課程、外的動機、性別の15因子であった。また、重回帰分析の結果、学習ニードの有無が最も自己教育力に影響していた(β=0.417*、p<0.001)。【考察】1. 中堅看護師の自己教育力の実態:平均得点・最高得点は低く、最低得点は高く、中堅看護師の自分自身を教育する活動が停滞していることを示唆した。2. 自己教育力に関係する因子:自己教育力得点と15因子の関係は、自己教育力得点の高い中堅看護師が、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら充実した日常生活を過ごし、職場に頼れる存在やロールモデルがいると知覚し、学習に対する興味や関心を持ち、積極的に自己学習や研修会および仕事に取り組み、チャレンジ精神を有するという特徴を持つことを示唆した。また、学習ニードを充足する必要性を示唆した。3. 中堅看護師の自己教育力向上に向けた看護師長の教育活動:ワーク・ライフ・バランスを保持できる職場環境の構築、学習機会推奨等の必要性が示唆された。