第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 札幌

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ポスター

ポスター7群:健康回復・重症化予防におけるツールの活用

Fri. Sep 2, 2022 9:30 AM - 10:30 AM ポスター会場 (206)

座長:寺島 由美

[ポスターS-7-3] 看護サマリー・脳卒中地域連携パスにDVD動画を活用した情報連携の効果

西本 尚弥1, 宮越 宏幸1, 中口 枝里子1, 石山 陽子1, 五十嵐 行江1, 大北 美恵子2 (1.福井大学医学部附属病院, 2.春江病院)

Keywords:看護サマリー、情報提供、脳神経看護、DVD動画、ADL

【目的】A病院 脳・神経センターでは、約30%の患者がリハビリテーションを必要とし、回復期病院へ転院している。現在転院時には、紙媒体の看護要約や脳卒中地域連携パス(以下看護要約)による患者の日常生活動作(以下ADL)や介助方法など情報提供を行っている。大北(2019)は動画情報について「紙のサマリーより短時間で多くの情報を得ることができた」と述べている。今回は紙媒体での看護要約に加え、DVD動画を用いて患者の様子を伝達することで、運動麻痺のある患者のDVD動画でのADL情報の連携効果を明らかにする。【方法】研究期間:2021年2月~7月(転院患者5名)。神経障害や運動麻痺があり日常生活援助が必要な患者に、患者の同意を得て動画を撮影。ADL情報は「臥床から端座位」「車椅子移乗」「歩行状況」「トイレ動作」「食事摂取状況」とした。DVD動画時間は10分程度。転院先病院の看護師に看護要約とDVD動画を送り、転院3日以内にDVD動画視聴による効果について、転院先の担当看護師にインタビューを行った。本研究は福井大学医学系研究倫理審査委員会の承認を得た。【結果】インタビューでは「書面より分かりやすい」「看護要約では運動麻痺など数値で書いてあるが、確認すると違うことが多い。動画で見ると実際の様子が見られて分かりやすい」「移乗方法や食事摂取状況を動画で見られて分かりやすい」「トイレ動作や起き上がり、移乗の仕方を参考にした」「施設間で環境が違うが、動画を見ることで車椅子の置く位置を一緒にできた」「見やすい時間でまとめられていた」「患者からの不満の訴えはなかった」という言葉を確認した。【考察】回復期病院に入院する脳卒中患者の自宅復帰に影響を与える要因は、「トイレ動作」「移動能力」「食事摂取状況」「更衣」があげられる。転院先の看護師は、患者を看る視点をもって実際の患者ケアにDVD動画情報を活用していたことから、患者の「トイレ動作」「移動能力」「食事摂取状況」について、急性期病院から回復期病院へ継続した情報提供ができたと考える。転院先へDVD動画でADL情報を伝えることは、患者の転院に伴う環境変化への不安軽減や、安全対策・継続した看護ケアに繋がると考える。