第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 札幌

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ポスター

ポスター7群:健康回復・重症化予防におけるツールの活用

Fri. Sep 2, 2022 9:30 AM - 10:30 AM ポスター会場 (206)

座長:寺島 由美

[ポスターS-7-4] 急患室における電話相談の現状

-統一した情報収集・電話相談時間の短縮に向けて-

阿相 ゆき江1, 齊藤 美穂1, 伊藤 景子1, 高橋 真由美1, 星川 亜由美2 (1.山形県立新庄病院, 2.山形県立中央病院)

Keywords:急患室、電話相談、救急電話メモ

【目的】急患室での電話相談について現状把握し、救急電話メモを情報収集しやすいものに変えることで、電話相談時間の短縮や受診時の早急な診察に繋がるかを明らかにする。【方法】期間:令和2年9月~令和2年12月。対象:急患室従事看護師でアンケート調査協力に同意を得た看護師約80名。調査方法:急患室従事看護師に救急電話メモ変更前後に救急電話メモを使用しての記述式・選択式アンケート調査を行い、メモについて評価を行った。設問ごとに単純集計し、ウィルコクソン符号付順位和検定(p<0.05有意差あり)を用いた。倫理的配慮:本研究は所属機関の看護研究倫理審査委員会の承認を得た。【結果】急患室勤務看護師73名に急患室救急電話メモ変更前後でアンケートを配布し、救急電話メモ変更前アンケートでは有効回答率は59名で80%、変更後アンケートでは54名で74%であった。救急電話メモを改善することによって、患者の主訴、緊急度・重症度の判断、受診の判断、的確な情報収集について有意差はでなかった。電話相談の所要時間の中央値が、メモ変更前で「7~9分」が最も多く、メモ変更後では「4~6分」に有意に短縮した(p=0.01)。電話相談時の情報聞き逃しは、メモ変更前の中央値が「時々ある」から、メモ変更後は「あまりない」に有意に減少した(p=0.03)。救急電話メモ変更後アンケートの自由記載では、「チェック項目が多い」「不慣れなためどこに何を書くか迷う」などの改善点の意見がみられた一方で、「記入する手間が減り、情報収集がスムーズにできるようになった」などの肯定的な意見もあった。【考察】救急電話メモを改善したことによって、患者の主訴、緊急度・重症度の判断、受診の判断、的確な情報収集について有意差はでなかったが、電話相談時の所要時間と聞き逃しについては有意差があった。焦点を絞って以前より簡潔に質問ができ、電話相談時間の短縮や聞き逃しを減らすことに繋がったのではないかと考える。メモ変更後までの検証期間が短かったため、他の項目で有意差が出なかった可能性がある。今回は、救急電話メモの改善が受診時の早急な診察に繋がるかは明らかにできなかったが、メモがあることで医師に事前に患者の容態を伝えることが出来、同職者と情報共有が出来るため今後も改善点を修正し、トリアージ学習や救急電話メモを検討していく必要性が示唆された。