[SK1-2] 看護職員の離職に与える影響について
~病院看護実態調査、看護職員実態調査結果より~
【背景】
「2019 年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求人・求職・就職に関する分析報告書」によれば、看護職員の退職理由は、結婚 11.9%、妊娠・出産 9.1%、転居 9.0%、子育て 8.3%、自分の健康(身体的理由)6.9% が上位を占める。勤務時間が長い・超過勤務が多い 5.4%、夜勤の負担が大きい 4.0% との勤務環境面の理由も一定程度あがっている。離職要因は複合的で、職場では対応しがたいものと対応可能なものが混在する。日本看護協会「病院看護実態調査」によれば、看護職員の離職率は 10 ~ 11% 程度で推移しており、全産業及び産業別「医療、福祉」の離職率 14.2%(厚生労働省「令和 2 年雇用動向調査結果」)と比べて高くはないが、離職率を抑えられれば管理者・スタッフ双方に有益な面がある。
【目的】
看護職員の離職率又は就業継続意向(看護職員として働き続けたいか)に関連する要素を明らかにする。
【方法】
「2021 年病院看護・外来看護実態調査」として、2021 年 10 月 1 日~ 11 月 22 日の期間、全国の 8,202 病院(全数)を対象に Excel 調査票調査を実施した。また「2021 年看護職員実態調査」として、同年 10 月 1 日~ 11 月 10 日の期間、日本看護協会会員(2%抽出)を対象に Web 調査を実施した。
【結果】
「病院看護・外来看護実態調査」の有効回答数は 2,668 施設、回収率 32.5% であった。病床規模別クロス集計及び有意差検定により、離職率の高さに関連する要素は以下の①~⑤のとおり(a: 400 床以上、b:200 ~ 399 床、c:200 床未満として有意(p<0.01)に差があったことを符号で右肩に示した)。①所在地が市又は区であること c、②週休 2 日制でないこと abc、③有休取得率が高いこと ab、④夜勤が二交代制であること abc、⑤夜勤が二交代制の場合に夜勤回数が多いこと bc。また「看護職員実態調査」の有効回答数は 5,121 人、回収率 35.5% であった。就業継続意向の高さに関連する要素として、①年齢が若いこと、②病院勤務又は行政勤務でないこと、が示唆された。
【考察】
以上を解釈すると、①週休 2 日制でないことや夜勤負担の重さ(二交代制、二交代制の夜勤回数)は離職率を高める要因となっている、②有休取得率が高いことは週休又は年間休日総数の低さと有意に関連していることから離職率の高さにも関連している、③市又は区では転職先の選択肢が多いため相対的に離職につながりやすい、④若い年代では就業後のギャップや夜勤負担等から必ずしも看護職にこだわらない人が一定割合生じている、という可能性がある。
「2019 年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求人・求職・就職に関する分析報告書」によれば、看護職員の退職理由は、結婚 11.9%、妊娠・出産 9.1%、転居 9.0%、子育て 8.3%、自分の健康(身体的理由)6.9% が上位を占める。勤務時間が長い・超過勤務が多い 5.4%、夜勤の負担が大きい 4.0% との勤務環境面の理由も一定程度あがっている。離職要因は複合的で、職場では対応しがたいものと対応可能なものが混在する。日本看護協会「病院看護実態調査」によれば、看護職員の離職率は 10 ~ 11% 程度で推移しており、全産業及び産業別「医療、福祉」の離職率 14.2%(厚生労働省「令和 2 年雇用動向調査結果」)と比べて高くはないが、離職率を抑えられれば管理者・スタッフ双方に有益な面がある。
【目的】
看護職員の離職率又は就業継続意向(看護職員として働き続けたいか)に関連する要素を明らかにする。
【方法】
「2021 年病院看護・外来看護実態調査」として、2021 年 10 月 1 日~ 11 月 22 日の期間、全国の 8,202 病院(全数)を対象に Excel 調査票調査を実施した。また「2021 年看護職員実態調査」として、同年 10 月 1 日~ 11 月 10 日の期間、日本看護協会会員(2%抽出)を対象に Web 調査を実施した。
【結果】
「病院看護・外来看護実態調査」の有効回答数は 2,668 施設、回収率 32.5% であった。病床規模別クロス集計及び有意差検定により、離職率の高さに関連する要素は以下の①~⑤のとおり(a: 400 床以上、b:200 ~ 399 床、c:200 床未満として有意(p<0.01)に差があったことを符号で右肩に示した)。①所在地が市又は区であること c、②週休 2 日制でないこと abc、③有休取得率が高いこと ab、④夜勤が二交代制であること abc、⑤夜勤が二交代制の場合に夜勤回数が多いこと bc。また「看護職員実態調査」の有効回答数は 5,121 人、回収率 35.5% であった。就業継続意向の高さに関連する要素として、①年齢が若いこと、②病院勤務又は行政勤務でないこと、が示唆された。
【考察】
以上を解釈すると、①週休 2 日制でないことや夜勤負担の重さ(二交代制、二交代制の夜勤回数)は離職率を高める要因となっている、②有休取得率が高いことは週休又は年間休日総数の低さと有意に関連していることから離職率の高さにも関連している、③市又は区では転職先の選択肢が多いため相対的に離職につながりやすい、④若い年代では就業後のギャップや夜勤負担等から必ずしも看護職にこだわらない人が一定割合生じている、という可能性がある。