[SK1-3] 新型コロナウイルス感染症対応の実態と課題
~2021 年病院看護・外来看護実態調査、2021 年看護職員実態調査結果より~
【背景】
新型コロナウイルス感染症対応は、労働環境の悪化や誹謗中傷の発生等、看護職員に様々な影響を与えた。長引く感染症対応による影響や課題を明らかにし、今後、看護職員が安心して働き続けられる体制整備を検討する必要がある。
【目的】
2020 年の感染拡大以降、看護職員の労働・生活・健康への影響の実態と課題を明らかにする。
【方法】
「2021 年病院看護・外来看護実態調査」:全国の全 8,202 病院を対象に Excel 調査票による調査を実施した(2021 年 10 月 1 日~ 11 月 22 日、有効回収率 32.5%)。「2021 年看護職員実態調査」:日本看護協会会員(2%抽出)を対象に Web 調査を実施した(2021 年 10 月 1 日~ 11 月 10 日、有効回収率 35.5%)。
【結果】
「2021 年看護職員実態調査」では、2020 年 3 月から 2021 年 9 月までの 1 年半、新型コロナウイルス感染症対応に関する業務に従事した人について、半数以上が超過勤務時間が「増えた」と回答した。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う看護職自身への影響として、「自分自身が感染するのではないかという恐怖・不安」が 78.6%と最も多く、「職場の労働環境の悪化」48.8%、「自分自身に対する周囲からの差別・偏見・心ない言葉」が 19.6%が上位を占めた。
2020 年 3 月以前と比較した健康状態について、「生活に充実感や楽しみがない」64.5%と最も多く、「いつも体が疲れている」が 56.8%と続いた。
今後の看護職としての就業継続意向について、67.6%に継続の意向があった。
「2021 年病院看護・外来看護実態調査」では、従来に比較して正規雇用看護職員の総退職者数が増加した病院が 26.3%、総退職者数の増加に新型コロナウイルス感染症の影響があるとした病院はそのうち 34.9%となった。
【考察】
上記の結果から、新型コロナウイルス感染症対応が看護職員の労働・生活・健康に対して大きな影響を与えたことが明らかとなった。
このような状況下でも看護職としての就業継続の意向は回答者の約7割を占めるが、「2021 年病院看護・外来看護実態調査」において、退職者数が増加した理由として新型コロナウイルス感染症の影響があったとした病院が一定数みられることから、今後看護職員の確保にあたっては、有事の際も考慮に入れた安心して働き続けられる環境整備が欠かせないと考えられる。
新型コロナウイルス感染症対応は、労働環境の悪化や誹謗中傷の発生等、看護職員に様々な影響を与えた。長引く感染症対応による影響や課題を明らかにし、今後、看護職員が安心して働き続けられる体制整備を検討する必要がある。
【目的】
2020 年の感染拡大以降、看護職員の労働・生活・健康への影響の実態と課題を明らかにする。
【方法】
「2021 年病院看護・外来看護実態調査」:全国の全 8,202 病院を対象に Excel 調査票による調査を実施した(2021 年 10 月 1 日~ 11 月 22 日、有効回収率 32.5%)。「2021 年看護職員実態調査」:日本看護協会会員(2%抽出)を対象に Web 調査を実施した(2021 年 10 月 1 日~ 11 月 10 日、有効回収率 35.5%)。
【結果】
「2021 年看護職員実態調査」では、2020 年 3 月から 2021 年 9 月までの 1 年半、新型コロナウイルス感染症対応に関する業務に従事した人について、半数以上が超過勤務時間が「増えた」と回答した。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う看護職自身への影響として、「自分自身が感染するのではないかという恐怖・不安」が 78.6%と最も多く、「職場の労働環境の悪化」48.8%、「自分自身に対する周囲からの差別・偏見・心ない言葉」が 19.6%が上位を占めた。
2020 年 3 月以前と比較した健康状態について、「生活に充実感や楽しみがない」64.5%と最も多く、「いつも体が疲れている」が 56.8%と続いた。
今後の看護職としての就業継続意向について、67.6%に継続の意向があった。
「2021 年病院看護・外来看護実態調査」では、従来に比較して正規雇用看護職員の総退職者数が増加した病院が 26.3%、総退職者数の増加に新型コロナウイルス感染症の影響があるとした病院はそのうち 34.9%となった。
【考察】
上記の結果から、新型コロナウイルス感染症対応が看護職員の労働・生活・健康に対して大きな影響を与えたことが明らかとなった。
このような状況下でも看護職としての就業継続の意向は回答者の約7割を占めるが、「2021 年病院看護・外来看護実態調査」において、退職者数が増加した理由として新型コロナウイルス感染症の影響があったとした病院が一定数みられることから、今後看護職員の確保にあたっては、有事の際も考慮に入れた安心して働き続けられる環境整備が欠かせないと考えられる。