[口演Y-11-2] 看護職と夜間看護補助者との協働推進のための現状と今後の課題
Keywords:夜間看護補助者、協働推進、看護職負担軽減
【目的】A病院では、夜間看護補助者(以下、夜間補助者)体制を新設し、1年が経過した。看護職と夜間補助者との協働推進の課題を明確にする目的で本研究に取り組む事とした。【方法】A病院の一般病棟で夜間勤務をしている看護職228名を対象に、Googleフォームを使用したWebアンケート調査を実施した。数量データーは基本統計量を算出し、記述データーは意味の類似性を基にカテゴリー化し研究者にて関連性を検討した。倫理的配慮は個人を特定しない事、本研究以外に使用しない事を文書で説明し、回答をもって同意を得たものとした。【結果】アンケート回収率69.7%。「夜間補助者の配置により夜間の看護業務の負担軽減につながっているか」は、とても出来ているが55.3%やや感じる38.4%。「夜間看護業務に専念できるようになったか」はとても感じる37.7%やや感じる47.8%。委譲した業務内容はケアの準備と後片付け、患者の見守り、患者搬送等であり、「患者対応に専念できた」「検温にはやく回れるようになった」との回答を得た。「指示を出す際業務の手順や留意点を説明しているか」はとても出来ているが24.5%やや出来ている57.2%。「業務内容を知っているか」は良く知っている16.4%ある程度知っている74.8%。その業務内容は配膳、下膳、荷物の受け渡し、病室の環境整備が上位を占めた。夜間補助者の患者への対応では、「優しい声かけをしてくれる」「話を聞いてくれて嬉しかった」などの声が寄せられた。全看護職が受講した看護補助者との協働に関する研修受講後の理解度は、とても出来ている31.4%ややできた67.3%。看護職と夜間補助者との協働に関する自由記載では、8個のカテゴリーが抽出された。「夜間補助者の業務拡大への期待」「協働に必要な看護職の姿勢」「補助者への感謝の気持ち」等があげられた。【考察】夜間補助者体制の新設により、看護職の業務負担軽減につながり、看護の専門性が必要な業務に専念できる環境を整える事ができた。周辺業務のみならず、患者の見守りなどの直接ケアを夜間補助者に委譲したことが、看護職の負担軽減に繋がったと考える。看護職は夜間補助者の業務拡大を期待している。今後更なる協働には、夜間補助者との役割分担や的確な指示・指導のできる看護職の育成と夜間補助者に対する研修の充実が今後の課題と示唆された。