第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演11群 看護職間・他職種との協働①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM 第8会場 (G314+G315)

座長:津島 準子

[口演Y-11-3] A病院における夜間看護補助者導入による業務負担軽減の実態の検証

山路 千里 (坂総合病院)

Keywords:夜間看護補助者、協働業務、業務負担軽減

【目的】A 病院の一般病棟では3 交代3 人夜勤を行っている。超高齢化社会に伴い地域での高齢化率が上昇し、せん妄の患者も増加している。そのため、看護職員の業務量が増加し、負担も増大している。看護職員の業務負担軽減を目指し、令和2 年10 月より夜間看護補助者を導入した。今回、夜間看護補助者の導入から1 年が経過した為、導入後の夜間帯の看護職員と夜間看護補助者の業務の実態を調査し、看護職員の業務負担軽減について検証した。【方法】看護補助者導入となった職場に勤務する看護師10 名、インタビューとインタビュー終了後にアンケート用紙の記述式とした。インタビュー内容を遂語録化し質的記述的方法で分析した。本研究はA 病院倫理委員会の承認を得て実施した。研究対象者には、研究の目的、方法を口頭と書面で説明し、承認を得た方のみとした。インタビューへの参加は、研究対象者の自由意志によるものであり、インタビューの途中であっても棄権できることを説明した。【結果】インタビューから、看護補助者導入前の負担、看護補助者導入後の変化、看護補助者との協働業務、看護の質向上、心理的安全性などのカテゴリーに分類された。アンケートでは、夜間看護補助者が導入される前の夜勤については、全員が大変だったと答えた。看護補助者導入後の変化について、元々3 人夜勤だったが、それぞれが忙しく声もかけられない時が多かった。看護補助者導入当初は、夜間帯での指導が負担だったが、一緒に働いていく中で、看護補助者との協働業務が増え、負担が軽減したという意見があった。配薬などの確認作業が必要な時、集中して行えるようになった。看護補助者に患者の見守りをしてもらえることで、安心して検温にも回ることができたという意見などがあった。【考察】看護補助者の導入で業務を協働することができ、また看護補助者へ移行できた業務もあり、負担軽減に繋がったと感じた看護職員が多かった。確認作業の業務は慎重に行えるようになった。結果、看護補助者がいることで業務の負担軽減だけでなく、心理的な面でも負担軽減できたと考えられた。しかし、まだ課題はたくさんある。お互いの役割を認識し、尊重し合い、協働して業務を行いながら患者の安全を守り、さらに看護の質向上に努めていかなければならない。