[口演Y-46-4] カンファレンスの運営に関わる主任の役割を明らかにした取り組み
Keywords:カンファレンス、教育、リフレクション
【目的】看護主任(以下、主任)は、スタッフのリーダーや実践モデルとして最前線に立つと共にスタッフを育成し看護組織を活性化していく重要な役割を担う。A 病院の看護主任会では、スタッフ育成・チームつくりの場として重要であるカンファレンスの効果的な運営方法に向け、2 年間の取り組みを行った。【方法】主任14 名がカンファレンスのグランドルールを各病棟で実践した評価記録と、役割姿勢に関する課題を明確化するためにリフレクションシートを記載した。その内容を質的帰納的に分析・抽出し、カテゴリ化した。研究内容は個人が特定されない事を説明し、承諾を得た。【結果】グランドルールの実践後評価は、9 ≪サブカテゴリ≫ 4 <カテゴリ>に集約された。カンファレンスの開催において主任は<開催にむけた調整><教育的な関わり><開催にむけた取り組み>を行っていたが、一方で≪ケアの管理≫≪主任としての実践力≫という<開催における課題>が明らかになった。さらに、主任の役割を見出す目的で使用したリフレクションシートは、10 ≪サブカテゴリ≫ 3 <カテゴリ>に分類された。<スタッフへの動機づけ>として≪カンファレンスに関する教育≫ ≪ ロールモデルの役割≫ ≪ 看護の言語化≫、<ファシリテーターとしての役割>として≪意見を引き出す関わり≫≪場の雰囲気つくり≫≪目指すケアに向けたチームの統制≫、<効果的なカンファレンス開催に向けた準備>では≪カンファレンスの意義を常に意識する≫≪グランドルールの作成≫≪開催に向けての準備≫≪自己研鑽を重ねる≫が実際の活動評価から抽出された。【考察】グランドルールに基いた行動は<開催における課題>に差異があり、主任として本質的な役割の意識の弱さが明確となった。その後のリフレクションシートの活用では、個々の実践を言語化・意識化することで自己省察を促す効果が得られ、新たな役割が見出されたことは、実践に潜む価値や意味の裏付けにつながり、応用可能な役割が抽出されたと考える。さらに実践のプロセスの中で「患者の尊厳を守り、最善の看護を基盤とした主任としての姿勢を崩さない」重要性が示唆された。効果的なカンファレンスを運営するための主任の役割は、<開催に向けた調整><教育的な関わり><開催に向けた取組み><スタッフへの動機づけ><ファシリテーターとしての役割><効果的なカンファレンス開催に向けた準備>である。