[ポスターY-14-3] COVID-19の影響により臨床実習経験が不足した新人看護職員へ配慮した研修プログラムの評価
Keywords:新人看護職員研修、臨床実習不足、COVID-19
【目的】COVID-19 の影響により臨床実習の機会が減少したため、新人看護職員のリアリティショックの増大が懸念された。そのためX 病院では入職時オリエンテーションを再構築し、身体的・精神的負担を考慮した段階的な研修プログラムとしてA:サークルタイム、B:シェアタイム、C:シャドーイング研修、D:看護実践トレーニング研修1、E:看護実践トレーニング研修2 を取り入れた(以下A 研修、B 研修、C 研修、D 研修、E 研修とする)。本研究は、再構築した研修の評価をすることを目的とする。【方法】X 病院の2022 年度新人看護職員31 名を対象に、2022 年5 月に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容は、A、B、C、D、E の研修毎に、研修内容は有意義であったか、研修目的は達成できたか、研修の学びを職場で活かすことができるかを4 段階尺度で尋ねた。また、研修時間は適切であったかを3 段階尺度で尋ねた。分析方法は、調査票より得られたデータを後方視的に収集し、単純集計し記述統計を行った。自由記載は具体的な意見の把握として評価に繋げた。研究対象者へ情報公開文書を公開し、実施した。【結果】30 名より回答が得られた。研修内容は有意義であったか、研修目的は達成できたかについては、A ~ E のすべての研修において「非常にそう思う」「ややそう思う」合わせて97%以上であった。研修の学びを職場で活かすことができるかについては、A ~ E のすべての研修において「非常にそう思う」「ややそう思う」合わせて93%以上であった。研修時間は適切であったかについては、A、B、E 研修では「ちょうどよい」が90 ~ 96%であった。C 研修は「ちょうどよい」76.7%、「短い」16.7%であり、D 研修は「ちょうどよい」86.7%、「短い」13.3%であった。自由記載として「順序立てた研修により徐々に不安がなくなった」「ステップアップできるプログラムとなっていた」と回答があった。【考察】再構築した5 つの研修は、内容、目的、学びにおいて肯定的な意見が多かったことから、新人にとって一定の満足感が得られた研修であったと考えられる。一方、C 研修、D 研修では、時間が「短い」と回答があり、より長く臨床での体験が出来る研修を望んでいたと考えられる。また自由記載より、身体的・精神的な段階的適応を感じることができる研修プログラムであったと考えられる。