[ポスターY-17-2] クリニカルパス作成と活用推進の実践報告
―多職種協働による検証会の効果―
Keywords:クリニカルパス、クリニカルパス検証会、チーム医療推進、看護の効率化
【目的】多職種協働による質の高いクリニカルパスおよび患者パス作成と活用推進を図る。【方法】クリニカルパス(以下パス)委員会を年6 回開催した。委員会メンバーは、各診療科医師、各部署リンクナース、事務、薬剤師、栄養士、リハビリテーション技師等の多職種から構成されている。委員会の目標や進め方については、診療部と事務部、看護部合同で検討した。初回委員会では、パスやDPC、電子カルテの操作についての学習会を開催した。委員会活動では、新規パス(今年度新たに作成したパス)の検討を多職種で実施し承認を行った。また、既存パス(今年度作成されたパスは次年度以降既存パスとする)に関しては2021 年度より各診療科における主要パス別のDPC パフォーマンス、平均在院日数、DPC 対出来高、診療内容について多施設と比較し、改善策について検証会を行った。パス使用率(多職種協働パスと患者パスの両者を同時に用いたときに、1 回使用したこととする)と新規パス作成件数、既存パスの見直し・修正件数調査を行った。【結果】既存パスは、全体で256 種類。パス使用率は、2020 年度44.4%(6765 件)、2021 年度45.6%(7313 件)、2022 年度46.3%(7693 件)であった。新規パス作成件数は、2020 年度78 件、2021 年度119 件、2022 年度25 件であった。検証会は、2021 年度15 件、2022 年度15 件実施され、既存パスの見直し・修正件数は、2020 年度106 件、2021 年度131 件、2022 年度130 件であった。【考察】2020 年度と比較し2023 年度パス使用率、既存パスの修正件数のいずれも増加していた。初回委員会の学習会で、委員のパスの知識向上や具体的なパス作成・修正方法を理解できたことが新規パス作成・既存パス修正につながったと考える。また、診療科の主要パス別DPC パフォーマンス、平均在院日数、DPC 対出来高、診療内容について多施設と比較し検証することで修正箇所が把握しやすくなった。委員会内で検証会を実施したことで検証された主要パスの修正が基準となり、各委員が自科のパスを修正する際の一助になったと考える。さらに、実際にパスを使用している多職種で検討することは、医療者の意見や患者の意見や反応を取り入れやすく、多職種協働パスと患者パスがより使用しやすい内容となり、使用率増加につながったと考える。