[OD-5-2] 口述発表:運動器疾患 5主成分分析を用いた肩こり有訴者のパターン化
【目的】
VDT作業が身体へ及ぼす影響は報告が多数あり,肩こり有訴者においてもVDT作業との関連が報告されている.しかし,VDT作業と仕事のストレス,日常生活など多角的な視点で関連を報告したものは認めない.本研究の目的は肩こりを有する看護師のVDT作業と仕事のストレス及び日常生活に関して因子分析し,肩こり有訴者をパターン化することである.
【対象と方法】
対象は調査に同意し,回答のあった会津医療センターに勤務する女性看護師157名(平均年齢42.49±10.54歳)とした.
質問項目は,①年齢や身長,視力などの一般項目,②VDT使用歴や勤務中のVDTの使用時間や連続使用時間,よく使用するVDTなどVDT作業について,③肩こりVASや罹病期間,対処方法など肩こり項目,④平均勤務時間や職場でのサポート,仕事の身体的負担や精神的負担,従事年数などの仕事について,⑤日常生活でのVDT使用時間や喫煙,運動習慣などの日常生活項目の計18項目とした.これらの質問項目に関して因子構造を主成分分析した.統計解析はSPSS Statistics ver.25を使用した.
本研究は倫理委員会の承認を得て実施した.
【結果】
主成分分析適用の妥当性はKaiser-Meyer-Olkinの標本妥当性の測度を用い,0.52であった.主成分は,固有値が1以上となる成分とした.各主成分の寄与率は第1主成分が14.85%,第2主成分が12.49%,第3主成分が9.32%,第4主成分が8.39%,第5主成分が7.04%,第6主成分が6.94%,第7主成分が5.99%であり,累積寄与率は第7主成分までで65.04%であった.
第1主成分を作る主要な成分は「肩こりVAS」,「罹病期間」,「対処方法」の3項目であり,「罹病期間」を表す変数と推察される.第2主成分には「VDT使用歴」の1項目であり,「VDT使用歴」を表す変数,第3主成分は「視力」の1項目であり,「視力低下」を表す変数と推察される.第4主成分は「従事年数」,「年齢」,「運動習慣」の3項目であり,「加齢と運動習慣」を表す変数,第5主成分には「日常生活でのVDT使用時間」,「勤務中のVDT使用時間」の2項目であり,「VDT使用時間」を表す変数を推察される.第6主成分には「仕事の身体的負担」,「仕事の精神的負担」,「平均勤務時間」,「喫煙」,「職場のサポート」の5項目であり,「職場環境とストレス」を表す変数.第7主成分は「身長」,「勤務中のVDT連続使用時間」,「仕事でよく使用するVDT」の3項目であり,「VDT使用環境」を表す変数と推察される.
【考察】
本研究の結果から肩こり有訴者に関して7つにパターン化することができた.第1主成分である肩こりVASと罹病期間の関連について,肩こりVASは罹病期間の影響を受けるとされており,本研究に関しても同一成分となり関係性があることが示唆される.またVDT作業に関連する肩こりに関しては,第2主成分である「VDT使用歴」,第5主成分である「VDT使用時間」,第7主成分である「VDT使用環境」と3つのパターンに分類される.これらから肩こり有訴者のVDT作業は一括りとするのではなく,使用歴,使用時間,使用環境というようにパターンを分けて考える必要がある.
VDT作業が身体へ及ぼす影響は報告が多数あり,肩こり有訴者においてもVDT作業との関連が報告されている.しかし,VDT作業と仕事のストレス,日常生活など多角的な視点で関連を報告したものは認めない.本研究の目的は肩こりを有する看護師のVDT作業と仕事のストレス及び日常生活に関して因子分析し,肩こり有訴者をパターン化することである.
【対象と方法】
対象は調査に同意し,回答のあった会津医療センターに勤務する女性看護師157名(平均年齢42.49±10.54歳)とした.
質問項目は,①年齢や身長,視力などの一般項目,②VDT使用歴や勤務中のVDTの使用時間や連続使用時間,よく使用するVDTなどVDT作業について,③肩こりVASや罹病期間,対処方法など肩こり項目,④平均勤務時間や職場でのサポート,仕事の身体的負担や精神的負担,従事年数などの仕事について,⑤日常生活でのVDT使用時間や喫煙,運動習慣などの日常生活項目の計18項目とした.これらの質問項目に関して因子構造を主成分分析した.統計解析はSPSS Statistics ver.25を使用した.
本研究は倫理委員会の承認を得て実施した.
【結果】
主成分分析適用の妥当性はKaiser-Meyer-Olkinの標本妥当性の測度を用い,0.52であった.主成分は,固有値が1以上となる成分とした.各主成分の寄与率は第1主成分が14.85%,第2主成分が12.49%,第3主成分が9.32%,第4主成分が8.39%,第5主成分が7.04%,第6主成分が6.94%,第7主成分が5.99%であり,累積寄与率は第7主成分までで65.04%であった.
第1主成分を作る主要な成分は「肩こりVAS」,「罹病期間」,「対処方法」の3項目であり,「罹病期間」を表す変数と推察される.第2主成分には「VDT使用歴」の1項目であり,「VDT使用歴」を表す変数,第3主成分は「視力」の1項目であり,「視力低下」を表す変数と推察される.第4主成分は「従事年数」,「年齢」,「運動習慣」の3項目であり,「加齢と運動習慣」を表す変数,第5主成分には「日常生活でのVDT使用時間」,「勤務中のVDT使用時間」の2項目であり,「VDT使用時間」を表す変数を推察される.第6主成分には「仕事の身体的負担」,「仕事の精神的負担」,「平均勤務時間」,「喫煙」,「職場のサポート」の5項目であり,「職場環境とストレス」を表す変数.第7主成分は「身長」,「勤務中のVDT連続使用時間」,「仕事でよく使用するVDT」の3項目であり,「VDT使用環境」を表す変数と推察される.
【考察】
本研究の結果から肩こり有訴者に関して7つにパターン化することができた.第1主成分である肩こりVASと罹病期間の関連について,肩こりVASは罹病期間の影響を受けるとされており,本研究に関しても同一成分となり関係性があることが示唆される.またVDT作業に関連する肩こりに関しては,第2主成分である「VDT使用歴」,第5主成分である「VDT使用時間」,第7主成分である「VDT使用環境」と3つのパターンに分類される.これらから肩こり有訴者のVDT作業は一括りとするのではなく,使用歴,使用時間,使用環境というようにパターンを分けて考える必要がある.