[PP-2-3] ポスター:基礎研究 2コロナ禍における家族支援の問題点と工夫の検討
【はじめに】2020年初頭より新型コロナウイス感染症の流行に伴い,以前のような家族支援が困難となり2年が経過している.当院でも感染対策として面会制限や外出外泊の中止がなされ,限定された条件下でのリハ見学や介助指導の緩和がとられている.しかし,家族支援における不十分さや家族との関係に希薄さを感じていた.本報告の目的は,コロナ禍における家族支援の問題点と工夫を明らかにし,今後のよりよい家族支援の一助とすることである.
【方法】研究対象者は筆頭筆者の所属する病院に勤務し,回復期リハ病棟に配属されている作業療法士6名である. 研究対象者全員に本研究の趣旨を説明し,同意を得ている.方法は研究対象者に対し,『回復期リハ病棟に従事する作業療法士のコロナ禍における家族支援の問題点と工夫』についてインタビュー調査を実施した.インタビュー内容を逐語録にし,①コロナ禍における家族支援の問題点,②家族支援における工夫や配慮,③家族支援における取組みに焦点を当てコード化し分析を行った.
【結果】本研究の結果, 6つの概念が生成された.
[家族との関係性構築と情報共有の困難さ]では,面会制限により家族との情報共有の場が減少し家族の心境の変化がとらえにくく,精神的ケアの困難さや家族との関係に希薄さを感じていた.また,患者の病状理解に対する,コミュニケーション不足や乖離が生じていた.そのため,家族の来院時や電話にて,今までの経過を説明し,適宜家族の疑問や不安が解決できるよう関わっていた.また,患者の様子が把握できるよう,写真や動画を用いていた.
[面会制限による障壁へ共に挑む]では,家族指導の場所や回数が限定されることで,家族指導への不十分さを感じていた.また,1回の家族指導が貴重であるため,家族指導の内容や情報量への配慮を行っていた.
[外出外泊の制限により実体験がつめない]では,実体験を通しての問題点抽出が困難であるため,患者の最大限の能力で活かすのではなく,安全に遂行可能な動作や介助,環境設定や福祉用具の提案をしていた.また,退院後支援するスタッフへ状況確認を依頼することが多く,負担かけていると感じていた.さらに,実生活の場で介入の可能な訪問リハを提案することが増えていた.
[家族支援に対す不安や手段の少なさ]では,作業療法士が実施した家族支援に自信が持てず退院後の生活に不安を感じ,以前のような支援が行えないジレンマを抱えていた.また,オンラインの活用,動画の提供などを実施しているが,家族支援における手段や選択肢の少なさを実感していた.
[患者と家族と繋げる作業の提供]では,患者が家族と交流が図れるよう,手紙や交換ノート,電話の支援を実施していた.また,創作活動やイベントに合わせ作業を提供していた. [家族支援の経験不足による臨床実践へのボディーブロー]では,家族支援や外出同行などの経験不足により,在宅生活のイメージが湧きにくいことが予測された.そのため,体験記や論文の活用や事例検討などの自己研鑽が必要と感じていた.
【考察】感染対策より十分な家族支援が困難となり,家族の不安に寄り添い支援する機会が減少していた.しかし,家族が患者の状況理解が促進できるよう,電子機器やオンラインの活用する工夫をしていた.また,患者家族が外出外泊にて実体験できないことから,退院後の支援スッタフとの情報共有や継続的支援が重要と考える.さらに,作業療法士が家族の思いに寄り添えるよう,家族支援の工夫や自己研鑽の必要性を感じた.
【方法】研究対象者は筆頭筆者の所属する病院に勤務し,回復期リハ病棟に配属されている作業療法士6名である. 研究対象者全員に本研究の趣旨を説明し,同意を得ている.方法は研究対象者に対し,『回復期リハ病棟に従事する作業療法士のコロナ禍における家族支援の問題点と工夫』についてインタビュー調査を実施した.インタビュー内容を逐語録にし,①コロナ禍における家族支援の問題点,②家族支援における工夫や配慮,③家族支援における取組みに焦点を当てコード化し分析を行った.
【結果】本研究の結果, 6つの概念が生成された.
[家族との関係性構築と情報共有の困難さ]では,面会制限により家族との情報共有の場が減少し家族の心境の変化がとらえにくく,精神的ケアの困難さや家族との関係に希薄さを感じていた.また,患者の病状理解に対する,コミュニケーション不足や乖離が生じていた.そのため,家族の来院時や電話にて,今までの経過を説明し,適宜家族の疑問や不安が解決できるよう関わっていた.また,患者の様子が把握できるよう,写真や動画を用いていた.
[面会制限による障壁へ共に挑む]では,家族指導の場所や回数が限定されることで,家族指導への不十分さを感じていた.また,1回の家族指導が貴重であるため,家族指導の内容や情報量への配慮を行っていた.
[外出外泊の制限により実体験がつめない]では,実体験を通しての問題点抽出が困難であるため,患者の最大限の能力で活かすのではなく,安全に遂行可能な動作や介助,環境設定や福祉用具の提案をしていた.また,退院後支援するスタッフへ状況確認を依頼することが多く,負担かけていると感じていた.さらに,実生活の場で介入の可能な訪問リハを提案することが増えていた.
[家族支援に対す不安や手段の少なさ]では,作業療法士が実施した家族支援に自信が持てず退院後の生活に不安を感じ,以前のような支援が行えないジレンマを抱えていた.また,オンラインの活用,動画の提供などを実施しているが,家族支援における手段や選択肢の少なさを実感していた.
[患者と家族と繋げる作業の提供]では,患者が家族と交流が図れるよう,手紙や交換ノート,電話の支援を実施していた.また,創作活動やイベントに合わせ作業を提供していた. [家族支援の経験不足による臨床実践へのボディーブロー]では,家族支援や外出同行などの経験不足により,在宅生活のイメージが湧きにくいことが予測された.そのため,体験記や論文の活用や事例検討などの自己研鑽が必要と感じていた.
【考察】感染対策より十分な家族支援が困難となり,家族の不安に寄り添い支援する機会が減少していた.しかし,家族が患者の状況理解が促進できるよう,電子機器やオンラインの活用する工夫をしていた.また,患者家族が外出外泊にて実体験できないことから,退院後の支援スッタフとの情報共有や継続的支援が重要と考える.さらに,作業療法士が家族の思いに寄り添えるよう,家族支援の工夫や自己研鑽の必要性を感じた.