JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-02] 変化する気候下での強風災害にどう取り組むか

コンビーナ:松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境学域)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、和田 章(東京工業大学)、座長:松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境学域)

[O02-04] 2019年9月台風19号被害を事例とした衛星合成開口レーダデータの役割

★招待講演

*作野 裕司1 (1.広島大学大学院工学研究科)

キーワード:衛星合成開口レーダー、台風、被害

2019年9月に発生した台風15号および19号は東日本を中心として非常に大規模な風水害をもたらした.日本リモートセンシング学会では,このような災害時に主に衛星データを活用した被害状況の即時把握手法について,ハード面やソフト面など様々な観点から検討されている.一方,筆者自身は2018年7月に発生した西日本豪雨に遭遇した経験を教訓として,全天候の衛星合成開口レーダ(SAR)データの即時公開に注力してきた.近年,衛星SARの利用が極めて積極的に行われるのは,10mの解像度を持つSentinel-1と呼ばれる衛星データが12日周期(2機で6日周期)で,しかも無料で入手できるからである.衛星SARは,雲を透過して地上を宇宙から観測するために,データのロスがないため,災害時の被害把握には非常に適している.さらに,フリーソフトウエア「SNAP」の登場で,誰でも簡単に難しいSARデータの前処理を行うこともできるようになった.本発表では,2019年の台風19号時の衛星SARの処理と配布までの作業を事例に,衛星SARの現状と課題について紹介する.