11:15 〜 11:30
[HTT19-09] 集中力からみた快適な音環境に関する研究
キーワード:音、公害、脳波
コロナウイルスによる学生の学習環境や会社員の労働環境の変化は、さまざまな問題を生んでいる。本研究では学校や会社、文教地区やオフィス街と異なる住宅街の環境について、特に音環境に焦点をあて、集中力という視点からその差異を明らかにする。深層心理と生理反応の2点から快適さにつながる要因を明らかにすることができれば、より良い空間作りに役立つはずである。研究では2つの方法を用いる。まず1つ目は心理的な面から、2つ目は実際に生理反応から集中力を判断する方法をとった。生理反応の実験には集中力と密接に関係している脳波を測定し、被験者の反応を見た上で分析をおこなった。
心理実験をおこなう前に予備調査として実験に使用する環境音を被験者から収集し、その環境音をグループ化した後代表音を選択した。限定した環境音を被験者に見せ、5段階で集中できる度合いを評価させた。人の話し声の平均値が自宅の室内で2.89、大学講義中で2.19となり有意差のある結果となった。この原因として考えられるのは予備調査から得られた環境音の認識範囲の違いが挙げられ、人の話し声を環境音として認知している数が大学講義中の方が多くなるため大学講義中が低い値となったと考える。さらに、結果が2分化していることがいくつかの環境音から確認できたためその原因を分析した。また平均値の相関関係などを踏まえたところ環境音に規則性が見られたので再度グループ化をおこなった。
生理反応の実験には簡易脳波測定器(EMOTIV EPOC X)を用いておこなった。EMOTIV EPOC Xはβ波の測定域をHighβ、Lowβ2種類に分けて測定でき、今回は特に影響を受けるとされるα波とLowβ波を測定した。実験方法は被験者に簡単な四則計算を暗算で12問解いてもらい、その際に各環境音と同時に特定の音刺激を与えた。その際の脳波を測定し、心理実験と比較し分析をおこなった。脳波測定で得たデータと心理実験で得たデータを比較したところ、実際に一致したのは紙をめくる音、時計、鳥のさえずり、人の話し声の4つのであった。その中で最も人の話し声は集中力を阻害していることが分かった。また紙をめくる音と時計と鳥のさえずりは集中力を阻害しない環境音であることが分かった。
本研究では心理実験と生理実験の2つの方向から実験をおこなった。聴覚イメージと音刺激からの反応はある程度ズレが生じるが、人の話し声は集中力に悪影響を及ぼすことが顕著に表れた。今回の実験では空間を固定し被験者に聴取させ音のみが集中力に与える影響を考えたが、空間を変えるとどのように集中力に影響してくるのかについても、今後調査していく必要がある。
心理実験をおこなう前に予備調査として実験に使用する環境音を被験者から収集し、その環境音をグループ化した後代表音を選択した。限定した環境音を被験者に見せ、5段階で集中できる度合いを評価させた。人の話し声の平均値が自宅の室内で2.89、大学講義中で2.19となり有意差のある結果となった。この原因として考えられるのは予備調査から得られた環境音の認識範囲の違いが挙げられ、人の話し声を環境音として認知している数が大学講義中の方が多くなるため大学講義中が低い値となったと考える。さらに、結果が2分化していることがいくつかの環境音から確認できたためその原因を分析した。また平均値の相関関係などを踏まえたところ環境音に規則性が見られたので再度グループ化をおこなった。
生理反応の実験には簡易脳波測定器(EMOTIV EPOC X)を用いておこなった。EMOTIV EPOC Xはβ波の測定域をHighβ、Lowβ2種類に分けて測定でき、今回は特に影響を受けるとされるα波とLowβ波を測定した。実験方法は被験者に簡単な四則計算を暗算で12問解いてもらい、その際に各環境音と同時に特定の音刺激を与えた。その際の脳波を測定し、心理実験と比較し分析をおこなった。脳波測定で得たデータと心理実験で得たデータを比較したところ、実際に一致したのは紙をめくる音、時計、鳥のさえずり、人の話し声の4つのであった。その中で最も人の話し声は集中力を阻害していることが分かった。また紙をめくる音と時計と鳥のさえずりは集中力を阻害しない環境音であることが分かった。
本研究では心理実験と生理実験の2つの方向から実験をおこなった。聴覚イメージと音刺激からの反応はある程度ズレが生じるが、人の話し声は集中力に悪影響を及ぼすことが顕著に表れた。今回の実験では空間を固定し被験者に聴取させ音のみが集中力に与える影響を考えたが、空間を変えるとどのように集中力に影響してくるのかについても、今後調査していく必要がある。