日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM08] 宇宙天気・宇宙気候

2021年6月5日(土) 17:15 〜 18:30 Ch.03

コンビーナ:片岡 龍峰(国立極地研究所)、A Antti Pulkkinen(NASA Goddard Space Flight Center)、草野 完也(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、坂口 歌織(情報通信研究機構)

17:15 〜 18:30

[PEM08-P29] 太陽活動サイクル24の極小付近で観測された地磁気誘導電流について

*亘 慎一1、中村 紗都子2、海老原 祐輔3、中溝 葵1 (1.情報通信研究機構、2.名古屋大学宇宙地球環境研究所、3.京都大学生存圏研究所)

キーワード:地磁気誘導電流、磁気嵐、SSC、SI、湾型擾乱、SFE

2017年2月末から科研費プロジェクト(PSTEP)により、関東周辺の変電所に測定装置を設置して地磁気誘導電流(GIC)の測定を実施してきた。太陽サイクル24の極小期にあたるため、Dst指数が-100nT以下となる磁気嵐はこれまでに3回しか発生していない。SSCやSIに伴うGICも観測されているが、高緯度のオーロラ活動による湾型(bay)擾乱に伴うGICが、比較的頻繁に観測されている。また、2017年4月1日に発生したM4.4フレアにより、Solar Flare Effect(SFE)と呼ばれる太陽フレアによる地磁気変動に伴うGICが観測された。SFEについて、今回観測された現象はそれほど大きなものではなかったが、1960年11月15日には、SFEによる最大で67 nTの水平成分の減少が柿岡地磁気観測所で観測されており、時間変化にすると最大で約-20 nT/minとなる。報告では、観測されたGICに関して、隣接する変電所の測定データを用いた解析結果を示す。

 2019年12月の太陽活動の極小以降、太陽活動は徐々に上昇しつつあり、大きな太陽フレアや大きな磁気嵐の発生が期待される。今後も継続して測定を行うとともに、磁気圏シミュレーションの結果を用いたGICの評価についても検討する予定である。