17:15 〜 18:30
[SCG45-P15] 沖縄トラフ伊江山サイト熱水域に産する重晶石の地球化学的・年代学的研究
キーワード:海底熱水鉱床、ストロンチウム同位体比、放射非平衡年代測定、ESR年代測定
中部沖縄トラフ伊江山熱水活動域において2018年9月に科学掘削が実施され、火口状の凹地地形(直径~100m)から採取された堆積物コアの海底下深度50-65mの層で、硫化鉱物と硫酸塩鉱物を産する鉱化作用が確認された。本研究では、この層の堆積物コアに含まれる重晶石を対象として、ストロンチウム同位体比測定、ガンマ線測定によるラジウム含量の測定を行い、さらにESR年代測定と226Ra-210Pb放射非平衡年代測定を行った。
重晶石中のラジウム含量は、深度が深くなるにつれて単調に減少する傾向を示し、ストロンチウム同位体比も深度による変動を示した。これらの変動は、ラジウムに富む熱水と空隙率の高い火山性の堆積層を通じて侵入してきた海水の混合が堆積層内で起こることで重晶石が生成したことを示唆している。年代測定の結果は、海底面上の熱水噴出孔で採取された重晶石が示すのと近い年代を示した。この結果は、堆積層内での重晶石の生成が現在の熱水活動によるものであることを示唆している。
本研究に用いた堆積物コア試料は、J-MARES(次世代海洋資源調査技術研究組合)から提供いただきました。また本研究はSIPプロジェクト「次世代海洋資源調査技術」により実施された研究をもとにしています。
重晶石中のラジウム含量は、深度が深くなるにつれて単調に減少する傾向を示し、ストロンチウム同位体比も深度による変動を示した。これらの変動は、ラジウムに富む熱水と空隙率の高い火山性の堆積層を通じて侵入してきた海水の混合が堆積層内で起こることで重晶石が生成したことを示唆している。年代測定の結果は、海底面上の熱水噴出孔で採取された重晶石が示すのと近い年代を示した。この結果は、堆積層内での重晶石の生成が現在の熱水活動によるものであることを示唆している。
本研究に用いた堆積物コア試料は、J-MARES(次世代海洋資源調査技術研究組合)から提供いただきました。また本研究はSIPプロジェクト「次世代海洋資源調査技術」により実施された研究をもとにしています。