日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG55] 沈み込み帯へのインプット:海洋プレート誕生から沈み込み帯まで

2021年6月6日(日) 13:45 〜 15:15 Ch.19 (Zoom会場19)

コンビーナ:藤江 剛(海洋研究開発機構)、山野 誠(東京大学地震研究所)、森下 知晃(金沢大学理工研究域地球社会基盤学系)、鹿児島 渉悟(富山大学)、座長:藤江 剛(海洋研究開発機構)、鹿児島 渉悟(富山大学)

13:45 〜 14:00

[SCG55-01] 地球リサイクルと海洋消滅仮説の検証〜海洋プレート研究の新展開〜

★招待講演

*道林 克禎1 (1.名古屋大学 環境学研究科 地球環境科学専攻 地球惑星科学系)

キーワード:地球、リサイクル、海洋消滅仮説、海洋プレート、浸水

惑星地球は、岩石および水・有機物など多様な物質が数千万年単位の長期的にわたり大循環 (地球リサイクル) することによって、生命を宿す温暖な表層環境と海洋を安定させている太陽系唯一の惑星である。ところが、誕生以来46億年を経た現在の地球は地球リサイクルの大転機にあって、早ければ1億年以内に海洋が完全に消滅する仮説が起こりうる未来像として予測された。この未来像の鍵を握るのは海洋プレートへの海水の浸透(浸水)である。本研究領域では、地球リサイクルの主役である海洋プレートの親水物性・浸水過程に着目し、海洋消滅仮説についてマルチスケールで検証・解明する総合研究を展開する。本研究領域の目的は、(1) 海洋プレートへの浸水量が地球リサイクルに与える効果、特に地球表層環境及び地球生命への影響の解明と(2)海洋プレートへの浸水量の増加と地球深部への水輸送がトリガーとなっておきる海洋消滅仮説の検証である。本研究領域は、海洋プレートを多面的多角的に見直すことによって地球リサイクルの新しい動態モデルを創出する自然科学の基礎的研究であり、海洋消滅仮説を含む新たな地球の未来像によって地球惑星科学分野に人類の未来に責任を負う学問の再定義を含めた新たな変革や転機をもたらす。