17:15 〜 18:30
[SVC27-P07] 那須岳における登山者動向把握実験
キーワード:那須岳、登山者動向把握実験、登山者曝露評価
昨今日本国内では登山ブームにより多くの登山者が登山を楽しんでいるが、富士山や那須岳をはじめとして火口近傍まで登山者が近づくことのできる火山が日本国内には多数存在する。しかし、多くの犠牲者を出した2014年9月の御嶽山噴火災害では、登山ブームもあり多くの登山者が火口近傍にいる時に噴火が発生したため、登山者の動向(※ここでは、「おおよその数」と「大まかな位置」)を把握することに時間がかかり、避難指示や救助・捜索活動に際し困難が生じた。草津白根山(本白根山)における2019年噴火においても同様の課題があがったことから、登山者や観光客の動向を迅速に把握することは、その後の避難や救助、捜索活動に際して適切な判断をするために重要である。
この登山者の動向に関するデータを取得する実証実験(「那須岳チャレンジ」と呼称)を、2020年10月に栃木県の那須岳で2日間に渡って実施した。本実験では、2日間で延べ2,000名の登山者(登山をしない観光客も含む)に小型のビーコンを配布し、事前に登山道に設置した15か所のレシーバーで検知・認識をすることで、ビーコンを持った登山者の動向をリアルタイムで把握した。収集したデータを整理・分析することにより、時間帯による登山道の混雑状況や登山者の行動特性を把握することができた。また、ビーコンを持った登山者の動向を把握するための時間を計測したところ、ビーコンを持った登山者数全体の約90%の所在を2時間で把握することができた。
本研究では、実証実験で得られた登山者データの防災利用を目指している。すなわち、噴火災害発生時に登山者の動向を把握するためにかかる時間を短縮することで、避難や救助・捜索活動の効率化が期待できる。また、登山者データと噴火ハザード情報を組み合わせることで、各種噴火ハザードに対する登山者の曝露量を評価することができ、簡易的ではあるが人的被害推定を行うことが可能となる。この結果を使うことで、平時における事前防災への取組みとして自治体等が避難計画等を作成する際や防災訓練を行う際に、参考情報として利用されることが期待できる。
各種噴火ハザードに対する登山者の曝露量を評価するために、GISソフトによる空間解析を実施した。解析で使用する噴火ハザード情報は、那須岳火山防災マップ(画像データ)に載っているハザード情報(降灰、噴石、火砕流・火砕サージ、土石流、融雪型泥流、溶岩流)をGISデータに変換した。本実験で得られた登山者データと変換した各種噴火ハザードのGISデータから、ハザードの到達範囲内の登山者数の時間変化を算出し、ハザード別の曝露評価を行う。
この登山者の動向に関するデータを取得する実証実験(「那須岳チャレンジ」と呼称)を、2020年10月に栃木県の那須岳で2日間に渡って実施した。本実験では、2日間で延べ2,000名の登山者(登山をしない観光客も含む)に小型のビーコンを配布し、事前に登山道に設置した15か所のレシーバーで検知・認識をすることで、ビーコンを持った登山者の動向をリアルタイムで把握した。収集したデータを整理・分析することにより、時間帯による登山道の混雑状況や登山者の行動特性を把握することができた。また、ビーコンを持った登山者の動向を把握するための時間を計測したところ、ビーコンを持った登山者数全体の約90%の所在を2時間で把握することができた。
本研究では、実証実験で得られた登山者データの防災利用を目指している。すなわち、噴火災害発生時に登山者の動向を把握するためにかかる時間を短縮することで、避難や救助・捜索活動の効率化が期待できる。また、登山者データと噴火ハザード情報を組み合わせることで、各種噴火ハザードに対する登山者の曝露量を評価することができ、簡易的ではあるが人的被害推定を行うことが可能となる。この結果を使うことで、平時における事前防災への取組みとして自治体等が避難計画等を作成する際や防災訓練を行う際に、参考情報として利用されることが期待できる。
各種噴火ハザードに対する登山者の曝露量を評価するために、GISソフトによる空間解析を実施した。解析で使用する噴火ハザード情報は、那須岳火山防災マップ(画像データ)に載っているハザード情報(降灰、噴石、火砕流・火砕サージ、土石流、融雪型泥流、溶岩流)をGISデータに変換した。本実験で得られた登山者データと変換した各種噴火ハザードのGISデータから、ハザードの到達範囲内の登山者数の時間変化を算出し、ハザード別の曝露評価を行う。