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[MIS27-03] 北陸冬季雷で発生した地球ガンマ線フラッシュと同期する雷放電の長波帯観測による分類
キーワード:地球ガンマ線フラッシュ、雷放電、高エネルギー大気物理学
雷放電と同期して発生する地球ガンマ線フラッシュ (terrestrial gamma-ray flash: TGF) は、これまでその大半が宇宙軌道上のガンマ線観測衛星によって検出されてきた。一方で事例は少ないものの、雷雲から地上に向かって下向きに放出されるTGFも地上で観測されるようになってきた。我々は石川県金沢市および新潟県柏崎市で4年間にわたって行ったガンマ線の地上観測により、合計7例のTGFを検出した。これらのTGFと同期した雷放電は富山県内に設置された広帯域長波帯 (LF) モニターで波形記録がされている。7例のうち4例は100 kA未満の負極性のLFパルスに先行しており、ステップトリーダーの進展中にTGFが発生したと考えられる。さらにこの4例のうち3例は数ミリ秒間隔でガンマ線が複数回放射されるマルチパルスTGFであった。残りの3例はピーク電流が100 kA以上の負極性のLFパルスと同期しており、Wuら (GRL, 2021) の報告によればリーダーの進展時間が非常に短い対地雷のリターンストロークである可能性が高い。またこれら3例は全てガンマ線の放射回数が1回のシングルパルスTGFであった。以上のように本研究で観測されたTGFと同期する雷放電は2つの種類に分類できることが明らかとなった。