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[MIS20-03] 仙台平野北部で確認された12~17世紀の複数のイベント砂層
キーワード:埋蔵文化財調査、蒲生御蔵跡、津波堆積物
東北地方太平洋側には,プレート境界で発生した過去の巨大地震の津波堆積物が広範囲に分布することが,過去約30年間の調査研究から知られている.仙台平野においては,歴史津波堆積物として,1611年慶長奥州地震,1454年享徳地震,869年貞観地震によるイベント砂層の存在が明らかにされてきた.この他にも,享徳地震と貞観地震の間の年代を示す津波堆積物の候補の報告があるが,広域で対比できるイベントかどうかは分かっていない.表層付近の地層は近年の人間活動による削剥や擾乱を受けており,歴史津波堆積物の認定はしばしば困難である.
考古調査などで行われるトレンチ掘削では,層厚や堆積構造の水平方向への変化や連続性を詳細に把握できる.地層が乱れていたとしても,トレンチ壁面で連続性を確認できることは,津波堆積物の調査研究とって大きな利点である.仙台平野北部七北田川左岸の蒲生御蔵跡における最近の考古調査では,12~17世紀の歴史津波に対応する可能性のある3枚のイベント砂層が確認された.この遺跡は,第II浜堤列(1600 yr BP以前に形成終了;松本,1984)と第III浜堤列(1300 cal BP頃に形成開始;伊藤,2006)の間の堤間湿地に位置し,塩竈湊と仙台城下を繋ぐ水運拠点として延宝元年(1673年)頃に整備されたものである.この発表では,これらのイベント砂層の年代と堆積学的特徴を報告するとともに,その供給源および歴史津波または高潮との関連を検討する.
考古調査などで行われるトレンチ掘削では,層厚や堆積構造の水平方向への変化や連続性を詳細に把握できる.地層が乱れていたとしても,トレンチ壁面で連続性を確認できることは,津波堆積物の調査研究とって大きな利点である.仙台平野北部七北田川左岸の蒲生御蔵跡における最近の考古調査では,12~17世紀の歴史津波に対応する可能性のある3枚のイベント砂層が確認された.この遺跡は,第II浜堤列(1600 yr BP以前に形成終了;松本,1984)と第III浜堤列(1300 cal BP頃に形成開始;伊藤,2006)の間の堤間湿地に位置し,塩竈湊と仙台城下を繋ぐ水運拠点として延宝元年(1673年)頃に整備されたものである.この発表では,これらのイベント砂層の年代と堆積学的特徴を報告するとともに,その供給源および歴史津波または高潮との関連を検討する.