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[SCG52-P02] 日本海溝アウターライズの浅部地殻構造の南北変化 ―「白鳳丸」KH-23-6次航海の成果速報―
キーワード:日本海溝、浅部地殻構造、反射法地震探査、アウターライズ
日本海溝においては,太平洋プレートが北米プレートの下まで沈み込んでいる.その沈み込みに伴うプレートの座屈により,日本海溝の海側では浅部に伸張の応力場が発生し,海溝外縁隆起帯(アウターライズ)が形成されている.そこで正断層群が発達して地溝・地塁(ホルスト・グラーベン)構造を形成し,正断層の運動によりアウターライズ地震が発生している.海溝で巨大な海溝型地震が発生したあと,付近でアウターライズ地震が連動的に発生することが知られている.しかしながら,2011年の東北沖地震以降,未だに大規模なアウターライズ地震が発生しておらず,アウターライズ地震発生メカニズムの実態解明の重要性が増しつつある.なお,Park et al. (2021)では,流体が地震活動に大きく関与し,日本海溝アウターライズでは正断層を出入り口とする流体循環が存在していることが提唱されている.
日本海溝アウターライズにおける大規模流体循環の時空間スケールの解明の一環として,日本海溝海側の地殻構造を調査するため,2023年10月に学術研究船「白鳳丸」により調査航海KH-23-6が実施された.本航海では,エアガン(GI ガン 355 cu. in. 2 本) の発振,および288 チャンネルストリーマーケーブル (全長約 2000 m) の受信により反射法地震探査を行った.本航海の測線は海溝軸とほぼ平行な南北方向が主で,従来の東西方向の測線を連結し,南北方向での日本海溝海側の地殻構造の空間変化の解明を主な目的としたものである.
予察的な結果として,1)日本海溝海側の浅部地殻構造は,南北方向で見ても複雑である.特にチャート層の反射面が確認できない地域が点在している.2)Nakanishi (2011)で提唱されたpseudofaults (磁気異常線の不連続,約39°N) 付近では,海底面が比較的平らであるが,音響基盤の深度変化は激しいという特徴が確認される.またpseudofaults両端では浅部地殻構造の差異が見受けられる.
日本海溝アウターライズにおける大規模流体循環の時空間スケールの解明の一環として,日本海溝海側の地殻構造を調査するため,2023年10月に学術研究船「白鳳丸」により調査航海KH-23-6が実施された.本航海では,エアガン(GI ガン 355 cu. in. 2 本) の発振,および288 チャンネルストリーマーケーブル (全長約 2000 m) の受信により反射法地震探査を行った.本航海の測線は海溝軸とほぼ平行な南北方向が主で,従来の東西方向の測線を連結し,南北方向での日本海溝海側の地殻構造の空間変化の解明を主な目的としたものである.
予察的な結果として,1)日本海溝海側の浅部地殻構造は,南北方向で見ても複雑である.特にチャート層の反射面が確認できない地域が点在している.2)Nakanishi (2011)で提唱されたpseudofaults (磁気異常線の不連続,約39°N) 付近では,海底面が比較的平らであるが,音響基盤の深度変化は激しいという特徴が確認される.またpseudofaults両端では浅部地殻構造の差異が見受けられる.