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[O11-P59] 太陽系外惑星の二次食と反射率の推定―二次食による主星の光度変化を用いて―
キーワード:太陽系外惑星、二次食、反射率
1. 研究背景
二次食とは、観測者から見て惑星が中心星の背面を通過する現象である。二次食によりどの程度減光するかは惑星の表面状態に大きく左右される。本研究では、この二次食の特性への知的好奇心からテーマを設定し、二次食に注目して惑星の反射率及び表面状態の推定を行った。
2. 研究目的・意義
本研究は、トランジットが起きている系外惑星から二次食を確認し、その反射率を求めることを目的としている。また、太陽系や生命の起源を追究するという点で反射率を求めることは意義があると考えられる。
3.研究手法
予備解析として、先行研究ですでに反射率が求まっている惑星であるwasp18bを対象として解析を行い、解析方法が適切であるかの確認を行った。本解析では、まだ反射率について議論されていない系外惑星(wasp-94Ab)について、予備実験を改善した方法で行う。
4. 予備解析方法
宇宙望遠鏡TESSによって得られたデータを扱うデータベースであるMASTから対象の恒星であるwasp18(以下恒星とする)の座標を確認し対応するデータを得る。また、解析の対象とする二次食はwasp18系の惑星であるwasp18b(以下惑星とする)によるものである。このデータについて、①二次食が起きている時間、②トランジット終了後二次食開始までと二次食が終わってからトランジット開始までの明るさを、比較した。
5.予備解析 結果・考察
それぞれの平均値から、二次食による減光は0.031%と求まった。ここから惑星からの放射熱が恒星によって隠されたことによる減光の割合を引き
X=4πR²∫(600nm,1000nm)B_λ(T)dλ [式1]
(X…放射熱、R…天体の半径、B_λ…プランクの式)
L=L₂+L₂×πRp²/4πd²×A[式2]
(A…反射率、L…二次食前後の明るさ、L₂…二次食中の明るさ(恒星の明るさ)、R…天体の半径、d…公転軌道の半径)
として式1から惑星・恒星の放射熱を算出し比を求め、式2で求めた惑星の反射率から放射熱の影響を引き、正確な値を推定した。結果、反射率は約0.75となり、先行研究の値である、0.048(反射率の上限値)と比べて非常に大きい数字になった。
この誤差について、惑星の公転運動による恒星の形状変化(潮汐変形)、及びそれに伴う光度変化を考慮していなかったことが原因であると考察できる。二次食が起きているときは、恒星は前後の縦方向に引っ張られ、見かけの大きさが小さくなり、それに対応して見かけの明るさも暗くなる。潮汐変形には周期があるため、二次食が起きるタイミングに恒星がどの程度の光度であるのかは予測することが可能であると考えられる。
6.本解析方法
本実験ではまだその反射率について議論されていない惑星(wasp-94Ab)について、予備実験の手法を基盤とし、恒星の潮汐変形による減光を考慮して反射率を求める。潮汐変形を考慮するまでの解析過程は予備解析と同様である。
7.本解析結果
予備実験同様惑星の反射率を求めた結果、反射率2.84という値になった。1を大きく超えることからも、この値は不適切であることが分かる。潮汐変形の影響を考慮した値も計算したい。
8. 結論及び今後の展望
予備実験では減光が反射率と放射熱によるものであると考え反射率を導いた結果、先行研究で求められた値である、反射率A≦0.048よりかなり大きい、A=0.72という値が得られた。
このような差ができた要因は、潮汐変形による恒星自身の減光を考慮していなかったためであると考察した。潮汐変形による影響を考慮しwasp-94Abの反射率を求めたい。
9.参考文献
[1]川島由依「系外惑星大気の化学」(2022)2024年12月27日閲覧
[2]Avi Shporer, Ian Wongら 「TESS Full Orbital Phase Curve of the WASP-18b System」 (2019) 2024年12月27日閲覧
[3]惑星 (地球をふくむ) の放射エネルギー収支 2025年1月27日閲覧
[4]RISE惑星探査プロジェクト「第1回 潮汐について」2025年1月28日閲覧
[5]M. Neveu-VanMalleら「WASP-94 A and B planets: hot-Jupiter cousins in a twin-star system」(2014)ASTRONOMY&ASTROPHYSICS 2025年1月28日閲覧
[10]系外惑星の探し方 exokyoto 2025年2月閲覧•[10] Tidal friction in close binary systems. Zahn j-p (1977) astrophysics data system
二次食とは、観測者から見て惑星が中心星の背面を通過する現象である。二次食によりどの程度減光するかは惑星の表面状態に大きく左右される。本研究では、この二次食の特性への知的好奇心からテーマを設定し、二次食に注目して惑星の反射率及び表面状態の推定を行った。
2. 研究目的・意義
本研究は、トランジットが起きている系外惑星から二次食を確認し、その反射率を求めることを目的としている。また、太陽系や生命の起源を追究するという点で反射率を求めることは意義があると考えられる。
3.研究手法
予備解析として、先行研究ですでに反射率が求まっている惑星であるwasp18bを対象として解析を行い、解析方法が適切であるかの確認を行った。本解析では、まだ反射率について議論されていない系外惑星(wasp-94Ab)について、予備実験を改善した方法で行う。
4. 予備解析方法
宇宙望遠鏡TESSによって得られたデータを扱うデータベースであるMASTから対象の恒星であるwasp18(以下恒星とする)の座標を確認し対応するデータを得る。また、解析の対象とする二次食はwasp18系の惑星であるwasp18b(以下惑星とする)によるものである。このデータについて、①二次食が起きている時間、②トランジット終了後二次食開始までと二次食が終わってからトランジット開始までの明るさを、比較した。
5.予備解析 結果・考察
それぞれの平均値から、二次食による減光は0.031%と求まった。ここから惑星からの放射熱が恒星によって隠されたことによる減光の割合を引き
X=4πR²∫(600nm,1000nm)B_λ(T)dλ [式1]
(X…放射熱、R…天体の半径、B_λ…プランクの式)
L=L₂+L₂×πRp²/4πd²×A[式2]
(A…反射率、L…二次食前後の明るさ、L₂…二次食中の明るさ(恒星の明るさ)、R…天体の半径、d…公転軌道の半径)
として式1から惑星・恒星の放射熱を算出し比を求め、式2で求めた惑星の反射率から放射熱の影響を引き、正確な値を推定した。結果、反射率は約0.75となり、先行研究の値である、0.048(反射率の上限値)と比べて非常に大きい数字になった。
この誤差について、惑星の公転運動による恒星の形状変化(潮汐変形)、及びそれに伴う光度変化を考慮していなかったことが原因であると考察できる。二次食が起きているときは、恒星は前後の縦方向に引っ張られ、見かけの大きさが小さくなり、それに対応して見かけの明るさも暗くなる。潮汐変形には周期があるため、二次食が起きるタイミングに恒星がどの程度の光度であるのかは予測することが可能であると考えられる。
6.本解析方法
本実験ではまだその反射率について議論されていない惑星(wasp-94Ab)について、予備実験の手法を基盤とし、恒星の潮汐変形による減光を考慮して反射率を求める。潮汐変形を考慮するまでの解析過程は予備解析と同様である。
7.本解析結果
予備実験同様惑星の反射率を求めた結果、反射率2.84という値になった。1を大きく超えることからも、この値は不適切であることが分かる。潮汐変形の影響を考慮した値も計算したい。
8. 結論及び今後の展望
予備実験では減光が反射率と放射熱によるものであると考え反射率を導いた結果、先行研究で求められた値である、反射率A≦0.048よりかなり大きい、A=0.72という値が得られた。
このような差ができた要因は、潮汐変形による恒星自身の減光を考慮していなかったためであると考察した。潮汐変形による影響を考慮しwasp-94Abの反射率を求めたい。
9.参考文献
[1]川島由依「系外惑星大気の化学」(2022)2024年12月27日閲覧
[2]Avi Shporer, Ian Wongら 「TESS Full Orbital Phase Curve of the WASP-18b System」 (2019) 2024年12月27日閲覧
[3]惑星 (地球をふくむ) の放射エネルギー収支 2025年1月27日閲覧
[4]RISE惑星探査プロジェクト「第1回 潮汐について」2025年1月28日閲覧
[5]M. Neveu-VanMalleら「WASP-94 A and B planets: hot-Jupiter cousins in a twin-star system」(2014)ASTRONOMY&ASTROPHYSICS 2025年1月28日閲覧
[10]系外惑星の探し方 exokyoto 2025年2月閲覧•[10] Tidal friction in close binary systems. Zahn j-p (1977) astrophysics data system
