The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

Presentation information

Oral Presentation

On-site

Oral Presentation 9
Oral Function

Sun. Jul 7, 2024 1:10 PM - 1:40 PM Room 3 (Makuhari Messe International Conference Hall 2F 201)

Chair: Takayuki Ueda (Tokyo Dental College)

[O2-2] Exploring the Physical Properties and Reproducibility of Commercially Available Foods in Mastication Test Assessing Continuous Sounds from Chewing to Swallowing.

*Shizuka Tarukawa1, Asako Suzuki2, Toshikazu Miura1, Manaka Koga2, Masayasu Ito2, Yasuhiko Kawai2 (1. Removable Prosthodontics, Nihon University Graduate School of Dentistry at Matsudo, 2. Department of Removable Prosthodontics and Geriatric Oral Health, Nihon University School of Dentistry of Matsudo)

[Abstract]
【目的】
 現在、咀嚼機能を評価するための検査として,篩分法やグミゼリー,ガム等を用いた咀嚼能率の検査等がある.しかし,これらの検査に用いる被験食品を日常摂取する頻度は低い.また咀嚼後に口腔外で評価を行うため咀嚼から嚥下まで一連の過程を評価しているとは言い難く,新たな検査法が望まれる.新たな検査方法の検討にあたり,日常で摂取している市販食品で発生する咀嚼・嚥下音の有用性に着目した.咀嚼音の測定に先立ち,被験食品の再現性が保証されることを評価する必要がある.本発表は咀嚼音・嚥下音の測定に適する被験食品について検討を行ったので報告する.
【方法】
 13種類の市販食品とグミゼリー(UHA味覚糖,大阪)の物理的特性である最大圧縮力の再現性を評価するため、成型可能な市販食品を金型にて成型したのち,小型卓上試験機(EZ-SX,島津製作所,京都)を用いて成人咀嚼時の咬合力と閉口速度を参考に1)500 N、9.88 mm/s にて最大圧縮力を測定した.測定は各食品10回行い,最小値と最大値を除外した8回の測定値の平均値と標準偏差を算出後,変動係数(CV)を算出した.続いて最大圧縮力に基づき食品の類似度を推定するため,階層クラスター分析を行い類似食品ごとにデンドログラムを描出した.
【結果と考察】
 得られたデンドログラムを図に示す.従来からの試験食品であるグミゼリーおよびピーナッツは他の市販食品と比較して有意に高い最大圧縮力を示した.デンドログラムからクラスター1は従来の試験食品であるグミゼリーとピーナッツ,クラスター2はラッキョウとアーモンド,クラスター3はバナナ,チーズ,蒟蒻,クラスター4はリンゴ,人参,チョコレート,クラッカー,きゅうりにそれぞれ類型された.得られたCVが既存試験食品であるグミゼリーより低かった食品は,チョコレート,かまぼこ,人参および蒟蒻であった.クラスター内でCVが低い食品は,クラスター1でグミゼリー,クラスター2でアーモンド,クラスター3でかまぼこ,クラスター4でチョコレートとなった.以上からアーモンド,かまぼこ,チョコレートは新たな検査法に用いる試験食品として使用可能であることが示唆された.
本研究は JSPS科研費 20K10079の助成を受けた.

【参考文献】
1) 宮崎 仁,志賀 博,小林義典.咀嚼運動の分析による咀嚼機能の評価の信頼性.補綴誌 2001 ; 45 : 283-294.