The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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Poster Presentation

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Fixed Partial Denture

Sat. Jul 6, 2024 12:00 PM - 1:00 PM Poster Session Hall (Makuhari Messe International Conference Hall 2F Convention Hall B)

[P-38] Effect of heat treatment on the dimensional accuracy of prostheses fabricated from lithium disilicate block for CAD/CAM

*Yoshifumi Abe1, Toshihiko Azuma1, Takuya Sato1 (1. GC Corporation)

[Abstract]
【目的】
 ジーシーでは加工後の結晶化のための熱処理が不要なCAD/CAM用二ケイ酸リチウムブロック(イニシャルLiSiブロック,以下LS)を発売している.補綴装置の寸法精度は支台歯との適合性に影響を与える重要な因子である.本材料は結晶化のための熱処理が不要であるが,オプションでステインやグレーズを行うことができる.そこで本研究ではCAD/CAM用二ケイ酸リチウムブロックにおける熱処理による寸法精度への影響を評価した.
【方法】
 試験材料としてLS,比較製品として加工後の熱処理が必要な製品A,製品Bを用意した.クラウン形状の補綴装置をCADソフト(Dental Designer,3Shape)で設計し,セメントスペース80 µmとしたSTLデータを作成した.それを基に各材料をCAD/CAM加工機(CEREC MCXL,Dentsply Sirona)にて加工し加工時間を計測した(n=3).加工後,製造者指示に従い,LSはPANAMAT FIRE(ジーシー)で,製品A,Bは Programat EP5000(Ivoclar Vivadent社)で結晶化またはグレーズした(最大温度 LS:750℃,製品A:850℃,製品B:760℃).作製した補綴装置の寸法を光学式精密測定器(ATOS Capsule,GOM)で計測,STLデータとの差異を算出し,その差異が設定したセメントスペース80 µmを超えた割合を評価した.結果は一元配置分散分析及びTukey検定で解析した (n=3).各材料について熱分析装置(TMA8311,リガク)にて熱膨張量を計測し,熱膨張量が最大となる温度を軟化温度とした(n=4).
【結果と考察】
 各材料の差異80 µm以上の割合を図1に示す.LSと製品Aの熱処理前は,製品Aの熱処理後および製品Bよりも寸法精度が有意に高かった.各材料の軟化温度はLSが792.8℃,製品Aが809.8℃,製品Bが788.4℃であり,製品Aは加工後の熱処理が軟化温度より高いため熱処理前後で寸法精度が有意に低下したと考えられる.加工機での加工時間を表1に示す.製品Bは加工時間がLSよりも長く加工しにくい材料のため,LSよりも寸法精度が有意に低下したと考えられる.LSは切削加工性に優れ,加工後のグレーズ熱処理が軟化温度以下であったためその前後の寸法変化が小さく,高い寸法精度を示したと考えられる.