第53回制癌剤適応研究会

ご挨拶

当番世話人: 大辻 英吾
(京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器外科学 教授)

当番世話人:大辻 英吾(京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器外科学 教授)

  この度、第53回制癌剤適応研究会の当番世話人を仰せつかり、2020年2月21日(金)に、大津市の琵琶湖ホテルにて開催する運びとなりました。歴史と伝統のある本研究会を私どもの教室でお世話させていただくことは、京都府立医科大学消化器外科にとりまして大変光栄なことと存じます。小寺会長をはじめ、これまで本研究会を支えてこられた諸先輩方に心から感謝申し上げます。
 癌の集学的治療の中で、従来使用してきた古典的な制癌剤は、投与経路を変更したり、新しい制癌剤と一緒に投与することによって治療効果を上げてきました。癌の分子生物学的な解明が進み、発癌や癌の進展に関する物質を標的とする分子標的薬の開発も進んでいます。また、免疫チェックポイント阻害剤の開発も進み、新しいジャンルの薬剤としての地位を確立しつつあります。このような薬剤をより有効に、より安全に使用するために、多くのバイオマーカーが同定されています。そこで、今回のテーマは「癌個別化治療の実用化に向けて」とさせていただきましたが、特に「分子標的治療の新展開」「免疫チェックポイント阻害剤の新展開」「癌個別化治療を実現するバイオマーカー」に注目してシンポジウムを組ませていただきました。また、それぞれの分野の第一人者の先生方に特別講演をお願いしております。教育講演では最新のトピックスである「制癌剤治療における腸内細菌叢の役割」についてご講演いただきます。
 会場のある琵琶湖畔のなぎさ公園は、「都市景観100選」および「関西自然に親しむ風景100選」に選ばれています。また、会場の近くには「日本の三名橋」の一つである瀬田の唐橋があります。熱い議論の合間の一時に、会場から見渡せる美しい琵琶湖の風景もお楽しみいただければ幸いです。
 今回の研究会は、スリム化を目指して、出来るだけ業者の手を借りず教室員だけで運営をしております。不行き届きの面もあろうかと存じますが、実り多い研究会となるように、教室員全員で精一杯努力する所存でございますので、多くの先生方のご参加を心よりお待ち申し上げます。