2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[1N4-OS-18] デジタル人文学とAI

2024年5月28日(火) 15:00 〜 16:40 N会場 (54会議室)

オーガナイザ:大向 一輝(東京大学)、嘉村 哲郎(東京藝術大学)、亀田 尭宙(国立歴史民俗博物館)、中村 覚(東京大学)

16:00 〜 16:20

[1N4-OS-18-04] 人間内面の多様性と類型性についての人工知能研究に基づく考察

〇高橋 徹1,2 (1. 株式会社Stroly、2. 特定非営利活動法人リンクト・オープン・データ・イニシアティブ)

キーワード:AI研究に基づく人間理解、人間内面の多様性と類型性、類型論

近年の人工知能研究の目まぐるしい進歩により,生成AIなど人工知能技術の性能や活用面だけでなく,「知能」そのものの基本的理解についても大きな進展がもたらされている.「知能」と呼ばれる現象への理解が,以前はアルゴリズムによる計算やルールベースの記号処理といった論理的正当性を基準に為されてきたが,現在では膨大な学習データからのパターン抽出やパターン間の重みづけによる、論理性とは必ずしも一致しないニューラルネットワークの調整に知能の本質があると認められるようになった.ただし大規模言語モデルの研究成果は,身体や経験を伴わなくとも「知能」が概念を高度に学習し運用できることも示している.本研究ではこのような人工知能研究の進展を踏まえ,記号論理学を中心とした記号的方法(抽象性と論理性)を重視する一元的な知能観から脱却し,性格や価値観と呼ばれるような人間の内面の多様性と類型性を理解するための科学的なモデルを構築することができるか,分析心理学の知見を援用しつつ検討を行う.その際,分析心理学でいわれる無意識,直感などの概念が,神経科学や人工知能研究の成果に照らして適切であるかについても検討を行う.

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