2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[1T3-OS-32a] 人工知能と物語応用

2024年5月28日(火) 13:00 〜 14:40 T会場 (62研修交流室)

オーガナイザ:大澤 博隆(慶應義塾大学)、宮田 龍(株式会社アラヤ)、西中 美和(香川大学)

13:40 〜 14:00

[1T3-OS-32a-03] 参照した他者のアイデアの質と多様性が創作物の質に与える影響: オンラインコミュニティの大規模データの分析

〇佐藤 恵助1、楊 鯤昊2、植田 一博1 (1. 東京大学、2. 山口大学)

キーワード:創造性、発想支援システム、大規模データ、オンラインコミュニティ、多様性

発想支援システムの設計のためには,どのような性質を持った情報が,質の高いアイデアの生成を促すのかを明らかにすることが重要である。本研究では,他者のアイデアが創造性に有効に働く認知的刺激として作用しうることに注目し,創作者が参照した他者の創作物の質および多様性と,それらをもとに制作された創作物の質との間の定量的な関係を分析した。分析に使用した創作物および創作者に関するデータ(約87万件)は,MOD開発や小説執筆を行っている3つの大規模なオンラインコミュニティ(Cities: Skylines, SCP-wiki, Archive of Our Own)から収集した。分析の結果,次の3つの知見が得られた。(1)参照した他者の創作物の質の多様性は,その多様性が高くも低くもない場合に,生成される創作物の質が最も高まる傾向にあること, (2)参照した他者の創作物の内容の多様性が高いほど,生成される創作物の質が低下する傾向にあること, (3)参照した他者の創作物の質が極端に高い場合には,生成される創作物の質が低下する傾向にあることの3つの知見である。

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