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[2N4-OS-21-03] “人間のようにはできない”AI・ロボットを受け入れる
AI・ロボット倫理の観点からの検討
キーワード:AI倫理、ロボット倫理、自動運転、弱いロボット、不便益
本発表ではAI・ロボット倫理の論点となりうる事柄として、役割や機能の遂行を人間が通常できると想定されている仕方と同様にはできず、人間が積極的に協力しなければいけないようなAI・ロボットが、それにもかかわらず受け入れられているという事例に注目し、そのような「人間に協力を求めるAI・ロボット」が人間にもたらしうる正負の影響について、不便益研究や技術哲学の議論を参照しつつ検討する。事例として「弱いロボット」や配膳ロボット、自動運転バスが挙げられる。それらの使用によるポジティブな影響として、人間と機械の協力を誘発する、新技術への移行の道筋をつける、従来の人間観を問い直す契機となる、等が考えられる。他方、懸念されるネガティブな影響として、リスク・責任の問題や、デザインによる動機づけの問題が考えられる。後者について詳述すると、取り上げた事例においてはかわいい見た目など、デザインによる快さという魅力が使用の動機づけとなっているが、そのようなAI・ロボットとの協力行動は、人間同士の協力行動と性質が異なってくる。それらが人間に及ぼしうる影響を考えるうえでは、魅力の高さという面にも焦点化する必要がある。
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