2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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オーガナイズドセッション » OS-7 医歯薬学・生命科学の革新を目指した言語処理

[2S6-OS-7a] 医歯薬学・生命科学の革新を目指した言語処理

2024年5月29日(水) 17:30 〜 19:10 S会場 (52研修交流室)

オーガナイザ:矢田 竣太郎(奈良先端科学技術大学院大学)、荒牧 英治(奈良先端科学技術大学院大学)、河添 悦昌(東京大学)、堀 里子(慶應義塾大学)

17:50 〜 18:10

[2S6-OS-7a-02] 電子カルテ記録からの医薬品有害事象サーベイランス手法の開発

〇嶋本 公徳1、河添 悦昌1、篠原 恵美子1、矢田 竣太郎2、若宮 翔子2、今井 俊吾3、堀 里子3、荒牧 英治2 (1. 東京大学 医学系研究科 医療AI・デジタルツイン開発学講座、2. 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 ソーシャル・コンピューティング研究室、3. 慶應義塾大学 薬学部 医薬品情報学講座)

キーワード:臨床テキスト、有害事象、固有表現、傾向スコア、イベント時間分析

【背景】医薬品の安全性監視のために市販後調査(PMS)が必要となるが、自発報告に基づく調査は有害事象の過小報告が指摘されるため、電子的診療記録を利用したより網羅的で精緻な有害事象の検出が期待される。本研究は自然言語で記録される診療テキストから有害事象を抽出し、既知の有害事象を検出するための一連の手法を開発する。【方法】がん患者の診療記録からデータベースを構築した。有害事象は、共著者らが開発した固有表現抽出と正規化を行うツールで診療テキストから抽出し、MedDRA用語に正規化することで統計解析可能とした。介入群と対照群の患者背景を傾向スコアで調整するための設定を検討し、複数の抗がん剤に対する有害事象の検出可能性をCox比例ハザードモデルを用いて検証した。【結果】評価した全ての有害事象に対して合理的な結果が得られた。【考察】診療テキストに記録される様々な有害事象を自然言語処理によって正確に抽出することで、PMSの有力な情報源になることを確認した。また、患者背景の情報や事象発生までの時間情報も扱えるため、シグナル検出にとどまらない、より詳細な有害事象の調査が可能になることが示唆された。

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