2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[2T1-OS-23] 社会科学・人文科学分野の行動インサイトを活用した機械学習と最適化

2024年5月29日(水) 09:00 〜 10:00 T会場 (62研修交流室)

オーガナイザ:戸田 浩之(横浜市立大学)、倉島 健(NTT人間情報研究所)、深澤 佑介(上智大学)

09:00 〜 09:20

[2T1-OS-23-01] サッカーのPK戦において環境要因が選手に及ぼす影響の分析

データ分析に基づく影響の大きさとその機序の解明

森 詠太1、今泉 拓1、〇植田 一博1 (1. 東京大学)

キーワード:サッカー、PK戦、意思決定、環境要因

サッカーのPK戦においては,キックの順番や大会の権威性といった環境要因によって,キックの成功率は変化することが明らかとなっている.また,このような環境要因がPKの成否に与える影響は,技術や疲労,経験といった,いわば選手の内的な要因による影響よりも大きいことが報告されている.そこで本研究では,PK戦における環境要因の影響に着目し,リード状況という環境要因がPKの成否に影響を及ぼしている可能性を検討した上で,どのように影響が生じているのか解明を試みた.W杯,欧州選手権,南米選手権のPK戦から収集したデータをフィッシャーの正確確率検定および二項ロジスティック回帰分析により分析した.その結果,リード状況によってPKの成功率は変化するという仮説を支持する結果は得られなかったが,環境要因によってキッカーが強いプレッシャーを感じると想定される場面では,キッカーはゴールマウスの下段を狙いやすくなることが明らかとなった.また,上段を狙った場合の方が成功率は高いことも確認された.以上の結果から,環境要因がPKの成否に対して,狙う目標ゾーン(上段か下段か)を通して影響を及ぼしている可能性が示唆された.

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