2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[3K1-OS-2a] データセットとベンチマークの技術的・社会的な視点

2024年5月30日(木) 09:00 〜 10:40 K会場 (44会議室)

オーガナイザ:鈴木 健二(ソニーグループ株式会社)、原 聡(大阪大学)、谷中 瞳(東京大学)、菅原 朔(国立情報学研究所)

09:40 〜 10:00

[3K1-OS-2a-02] 不法行為判断予測データセット構築におけるELSI課題

〇山田 寛章1、小原 隆太郎2,3、角田 美穂子3 (1. 東京工業大学、2. 中村・角田・松本法律事務所、3. 一橋大学)

キーワード:データセット、法的判断予測、自然言語処理

我々は,近時,法律分野へのAI応用研究の一大領域となっている司法判断予測(Legal Judgement Prediction)研究のためのデータセットである,日本語不法行為事件データセット(Japanese Tort-case Dataset, JTD)を構築した.JTDには41人の法律専門家によって注釈付けされた3,477件の民事事件判決書に基づいて構築されており,7,978事例(事例に内包される原告・被告らの主張は59,697件)が収録されている.JTDは判決書という法律分野のデータを扱うことから,司法判断に関わる予測を計算機で行うことの是非,構築したデータセットに潜在するバイアスはもとより,判決データのオープンデータ化が未だ審議中というわが国特有の事情ゆえに,多様な社会的課題を検討しながら構築する必要があった.とりわけ,判決書のような多くのステークホルダーの利害に関係し得るデータを扱うデータセットを他の研究者と共有する環境は未だ十分整備されているとは言い難い.そこで,本稿では,今後の議論の深化に貢献すべく,構築時に検討した諸課題を報告する.

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