2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[3L1-OS-3a] 地震研究と人工知能

2024年5月30日(木) 09:00 〜 10:40 L会場 (52会議室)

オーガナイザ:長尾 大道(東京大学地震研究所)、内出 崇彦(産業技術総合研究所)、加納 将行(東北大学)、庄 建倉(統計数理研究所)、久保 久彦(防災科学技術研究所)

09:20 〜 09:40

[3L1-OS-3a-02] 深層学習を用いた走時読み取りモデルの問題解決に向けて

〇加藤 慎也1、長尾 大道1、今泉 允聡2 (1. 東京大学地震研究所、2. 東京大学総合文化研究科)

キーワード:地震波走時読み取り、深層学習

深層学習を用いた地震波走時読み取りモデルが高精度とされる一方で、トレース内に複数の地震波が存在する場合、全ての地震波の走時検出が困難という問題がある(Park et al., 2023)。この問題は、余震観測のような短時間で地震が多発するようなデータに深層学習モデルを適応させる際の大きな障壁となる。本研究では、この問題の原因がラベル不均衡であると考えた。現在、よく使用されているモデル(Zhu & Beroza, 2018)は走時読み取りタスクをSemantic Segmentationタスクとしている。入力は30秒の地震波を含む波形データであり、正解ラベルはP, S波の到着時刻を頂点かつ高さ1としたガウス分布の形状としたP,Sラベルとそれら以外を1としたノイズラベルである。この場合、正解ラベルのほとんどの点がノイズの確率が1となり、P, Sラベルの確率が0以上となる点に比べて圧倒的に多くなる。その結果、ラベル不均衡の状態となり、モデルの学習がうまくいっていない可能性がある。ラベル不均衡状態を解消するために損失関数の改良を行った。その結果、モデルが複数の地震波が含まれていても走時検出が行えるようになった。

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