2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[3O5-OS-16c] 世界モデルと知能

2024年5月30日(木) 15:30 〜 16:50 O会場 (音楽工房ホール)

オーガナイザ:鈴木 雅大(東京大学)、岩澤 有祐(東京大学)、河野 慎(東京大学)、熊谷 亘(東京大学)、松嶋 達也(東京大学)、森 友亮(株式会社スクウェア・エニックス)、松尾 豊(東京大学)

15:30 〜 15:50

[3O5-OS-16c-01] 自由エネルギー原理に基づく RNN を用いた ウィスコンシンカード分類課題のシミュレーション

〇後藤 大毅1、出井 勇人1,2、尾形 哲也1,3 (1. 早稲田大学、2. 国立精神・神経医療研究センター、3. 産業技術総合研究所 )

キーワード:ウィスコンシンカード分類課題、自由エネルギー原理、能動的推論、認知的柔軟性、変分リカレントニューラルネットワーク

ウィスコンシンカードソーティングテスト(WCST)は認知的柔軟性を測定する心理学的課題である。WCSTの認知メカニズムの計算論的モデリングは柔軟な認知過程を解明する上で重要となる。本稿では、WCSTのメカニズムを説明するために、自由エネルギー原理に基づいた階層型リカレントニューラルネットワークモデルを提案する。自由エネルギー原理では、知覚と行動が予測信号と感覚信号の予測誤差の最小化から説明できるとする。我々のモデルの主要な特徴は未来の自由エネルギーを考慮している点であり、これにより、モデルが目標志向行動によってWCSTに正答することが可能となる。シミュレーション実験の結果、提案モデルはターゲットのカテゴリーを推定し、カテゴリーの変化に沿って回答を変更できることが示された。この結果は、提案モデルが自由エネルギー原理の観点から、柔軟な認知過程への洞察を提供する可能性があることを示唆する。

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