[3Xin2-45] 人間の行動特性を考慮した介入システム実現に向けた非合理的な意思決定場面の調査
キーワード:介入、認知バイアス、意思決定
人間は現実の複雑な問題を限られた認知資源で意思決定できる柔軟な情報処理が可能であるが,認知バイアスや思い込みなどにより最適な選択を排除してしまうことがある.そこで,最適な選択を人間に提示し,非最適行動を是正する取り組み(介入)が行われている.しかし,一般に介入を無視する傾向が確認されている.この問題の解消のため,我々は人間が最適戦略を錯覚しやすい Simplified Black Jack を考案し,プレイヤーの行動予測に基づいて非最適戦略をとる場面でのみ介入を行うこと試みた.本研究では,より受け入れやすい介入システム実現のため,人間の非合理的な意思決定場面を調査した.結果,観測上は勝率が同程度の場面においてゲーム内のカードの数字が意思決定に影響を与えていることを確認した.これは報酬最大化を目的としたとき合理的ではない.具体的には,自分の数字が大きい場面では勝負する傾向が強まり,自分と相手の数字が一致する場面では勝負を避ける傾向が強まることがわかった.これらの行動傾向を促進または抑制するように介入方法を変化させることで,人間が受け入れやすい介入システムの実現が可能になると予想される.
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