[3Xin2-59] 個体内変動を考慮した鳴き声による牛の個体照合
キーワード:牛、鳴き声、個体照合、スマート畜産、個体内変動
近年,少人数の飼養者でも多頭数の家畜管理が可能なモニタリング技術が求められている. 本研究は家畜福祉の観点から,非接触に収集可能な牛の鳴き声を用いた個体照合を目的とする. 先行研究では空腹時の鳴き声のみを対象としていることが多いが,環境や状態の違いによって音響情報に個体内変動が生じ,個体の判別に悪影響を及ぼす可能性が高い. 本研究では,牛の状態による鳴き声の音響情報の違いを明らかにした上で,状態変動に頑健な牛の個体照合について提案する. 本研究では,雌の牛 22 頭を対象に,空腹時と発情期の鳴き声を採取し,感情状態に関連する音響情報に対しMann-WhitneyのU検定を行った結果,Shimmerなどの音響情報に有意差が認められ,牛も状態により音響情報に違いがあることが認められた. そのような個体内変動に影響を受けない音響情報として,ガンマトーン周波数ケプストラム係数を入力としたi-vector,x-vectorを用いた個体照合を行った結果,x-vectorは単一状態と同等の正解率92.4%を得ることができた.x-vectorは個体内変動に頑健な個体性を含む特徴量であることが確認された.
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