2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[4R3-OS-8b] AIとデモクラシー

2024年5月31日(金) 14:00 〜 15:40 R会場 (51研修交流室)

オーガナイザ:白松 俊(名古屋工業大学)、伊藤 孝行(京都大学)、大沼 進(北海道大学)、松尾 徳朗(産業技術大学院大学)

15:00 〜 15:20

[4R3-OS-8b-03] 公共的討議の議論内容に対する議論フレームの影響に関する集団討議実験を用いた検討

討議の質指標(DQI)を用いた多元的共通善および影響を受ける主体への配慮に関する比較

〇相馬 ゆめ1、植 穗奈美1、柴田 侑秀1、辻本 光英1、崔 青林1、中澤 高師2、辰巳 智行3、有馬 淑子4、大沼 進1 (1. 北海道大学、2. 東洋大学、3. 豊橋創造大学短期大学部、4. 京都先端科学大学)

キーワード:議論フレーム、討議の質指標(DQI)、多元的共通善、主体への配慮、集団討議実験

本研究の目的は,公共的討議場面を念頭におき,そこでの議論内容に議論フレームが与える影響を明らかにすることである。公共的討議に参加する市民は多元的な共通善を満遍なく議論するとともに,影響を受ける複数の主体にも配慮することが求められる。ただし,実際に人々がそのように議論できるかは討議の場のデザインに依存する。本研究ではその一つとして議論フレームに着目した。共通善への言及や影響を受ける主体への配慮と,議論フレームの関係について検討するために,係争的なフレームと包摂的なフレームの二条件を設け,集団討議実験を行った。分析には,質問紙データと,討議の質評価指標 (DQI) を用いた。DQIは議論に参加していない第三者が,議論中の発話ごとに,評定項目の基準に該当する発言かを評価するものである。実験の結果,共通善への言及には条件間で差がみられなかった。一方,影響を受ける主体への配慮は,包摂的なフレームでは個人が支持する立場に関わらず同様に配慮がなされたが,係争的なフレームでは個人が支持する立場によって配慮される主体が異なっていた。本研究の知見は,公共的討議において熟議がなされやすい要件の一端を提供した。

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