2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

講演情報

オーガナイズドセッション

オーガナイズドセッション » OS-6 信頼と文脈のインタラクションデザイン

[4T1-OS-6c] 信頼と文脈のインタラクションデザイン

2024年5月31日(金) 09:00 〜 10:20 T会場 (62研修交流室)

オーガナイザ:寺田 和憲(岐阜大学)、今井 倫太(慶應義塾大学)、山田 誠二(国立情報学研究所)

09:00 〜 09:20

[4T1-OS-6c-01] 深層学習と自閉症スペクトラム者の顔認識は似ているのか?:FaceNetを例にして

〇今泉 拓1、李 璐1、西川 菜月2、熊崎 博一2、植田 一博3 (1. 東京大学・大学院学際情報学府、2. 長崎大学・大学院医歯薬学総合研究科、3. 東京大学・大学院総合文化研究科)

キーワード:FaceNet、顔認識、不気味の谷、自閉スペクトラム症

深層学習による顔認識は高い精度を誇るものの、必ずしも人間らしい判断をしているわけではないことが知られている。FaceNetを用いて不気味の谷の再現を試みた研究では、特定の顔画像に対する人間による評価とFaceNetによる評価が大きく乖離したため、不気味の谷の一部の特徴が再現されなかったことが示されている。特に、FaceNetが高評価を与えた画像については、口やあごといった顔面下部への局所的な注目がみられた。この局所的注目は自閉スペクトラム症者(以下ASD者)の特徴と一致している。そこで、本研究ではFaceNetの評価がASD者と類似しているかどうかを検討した。FaceNetの評定値を従属変数とし、定型発達者(以下TD者)による評価とASD者の評価を独立変数としてそれぞれ回帰分析を行った。その結果、ASD者の評価がFaceNetとより類似していることが明らかになった。この結果は、顔認識アルゴリズムが広域的な顔情報を利用できれば、不気味の谷のような特異な認知現象をより正確に再現できる可能性があることを示唆している。

講演PDFパスワード認証
論文PDFの閲覧にはログインが必要です。参加登録者の方は「参加者用ログイン」画面からログインしてください。あるいは論文PDF閲覧用のパスワードを以下にご入力ください。

パスワード