2017年第64回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

22 合同セッションM 「フォノンエンジニアリング」 » 22.1 合同セッションM 「フォノンエンジニアリング」

[15p-F206-1~14] 22.1 合同セッションM 「フォノンエンジニアリング」

2017年3月15日(水) 13:45 〜 18:00 F206 (F206)

中村 芳明(阪大)、山本 貴博(東理大)、山口 浩司(NTT物性研)

16:45 〜 17:00

[15p-F206-10] 周期的な積層欠陥を含む酸化チタン自然超格子の熱伝導特性

原田 俊太1、田中 克志2、乾 晴行3 (1.名大未来研、2.神戸大院工、3.京大院工)

キーワード:熱電変換材料、酸化物、超格子

既存の熱電変換材料にはBiやTeなど毒性が強い元素や埋蔵量の少ない希少な元素で構成されている物が多く、毒性が少なく環境に配慮した高性能の熱電材料の開発が望まれている。TiO2の還元相であるTinO2n-1は、rutile構造を母構造とし、周期的な積層欠陥を含む超格子構造(シアー構造)を有し、最大で無次元性能指数性ZT = 0.14が報告されている。本研究では、酸素量により変化する積層欠陥の周期と、熱伝導率の相関を調べた。積層欠陥密度の増加と共に熱伝導率は低下する。特に、高温では積層欠陥密度にほぼ比例して格子熱伝導率が低下しており、高密度に導入された積層欠陥がフォノンの散乱源となっていることが明らかとなった。