2019年第80回応用物理学会秋季学術講演会

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[19p-N304-2~7] 量子ビーム利用の最前線 ~医療・産業利用の現状と将来~

2019年9月19日(木) 13:45 〜 16:30 N304 (N304)

笹野 理(三菱電機)、畠山 修一(日立製作所)

13:45 〜 14:00

[19p-N304-2] 小型球状太陽電池の治療用炭素線に対する線量応答特性

松藤 成弘1、古場 裕介1、白井 敏之1、菊地 宏之2、中田 仗祐2 (1.量研機構、2.スフェラーパワー)

キーワード:太陽電池、粒子線治療、線量計

量研機構で実施している前立腺炭素線治療では近年、腫瘍に囲まれた尿道の線量を選択的に低減して尿道障害を避けつつ寡分割で完結する治療照射を開始した。この照射で体内、特に尿道で計画通りの線量低減が実現されているか検証する線量計の候補として、小型で方向依存性に優れることから近年放射線治療場の線量計としての可能性が注目されている球状小型太陽電池を用い、治療用炭素線に対する線量応答特性を調べた。太陽電池にはスフェラーパワー(株)製のシリコン直径1.8および1.2mmの素子を用いた。太陽電池素子の出力電流は放射線損傷により1%/Gy程度の指数関数的な低下が認められたが、積算線量値から指数関数で補正することで精度良く補正することができた。照射深によりLETが大きく変化する治療用炭素線場であっても飛程全般に亘ってピンポイント電離箱の測定に匹敵する優れた精度での線量測定が可能であることが確認された。