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[20a-E319-1] [講演奨励賞受賞記念講演] 表面のDFT計算におけるスピン混入誤差と静的電子相関に関する考察
キーワード:密度汎関数理論、スピン混入誤差、分子/表面相互作用
表面化学現象の電子状態計算(DFT計算)において、今まで定量的な算出が出来ていなかった誤差(スピン混入誤差)の算出スキームを確立し、その影響を解明することに成功した。本発表では、MgO(001)面上での金原子の拡散・凝集反応を例にとり、スピン混入誤差と静的電子相関が及ぼす影響に関して考察し、それらがポテンシャルエネルギー曲線に影響を与えていることを明らかにした。さらに、気相反応との比較から、(1)表面反応系におけるスピン混入誤差の最大値は気相系よりも小さいが、その影響が生じる領域は広くなる、(2)吸着種間の相互作用よりも吸着種/表面相互作用が優勢なとき、それらの誤差の影響が生じやすくなることが判明した。